石楠花(シャクナゲ)(Rhododendron)

石楠花(シャクナゲ)

石楠花とは?

迫力ある樹姿と華麗で大きな花姿から「花木の王様」と呼ばれる

DATA

学名は「Rhododendron Metternichii」「Rhododendron Hybrids」など多数の学名、英名は日本ではツツジと呼ばれているものも含めて「Rhododendron(ロードデンドロン)」。
ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木でつつじの仲間。
4月中~5月初旬に細長い葉っぱの先端に5~10cmの迫力のある大きな花を咲かせるのが特徴、世界中で園芸品種が多く花の色は赤系統や白色のほか黄色や桃色など様々。
ツツジなども含めたロードデンドロンとして北半球は亜寒帯や熱帯山地から、南半球のニューギニア・オーストラリアまで広く分布し、特にヒマラヤ周辺に多くの種が生息する。
高さは50~180cmで低木のものがほとんどだが、ホンシャクナゲを含めたツクシシャクナゲは高さ4mに達するものも。

名前の由来

中国でシャクナゲとは本来別の花である「石南花(しゃくなんげ)」をシャクナゲと誤解し命名しさらにそれが「シャクナゲ」に転じたとする説、低木で1尺にも満たない「尺なし」の花であることからとする説、あるいは薬として癪を防ぐなど諸説あり。

利用・用途

主に観賞用として街路樹などに用いられる。その迫力のある花と樹姿により「花木の王様」と称されている。

野生のものでも変種が数多く、また園芸植物としても数多くの品種があり数百種類といわれる。

代表的なものとしては欧米で育成された園芸種であるセイヨウシャクナゲ(西洋石楠花)のほか、自生するものとしてアズマシャクナゲ(東石楠花)、ホンシャクナゲ(本石楠花)、ホソバシャクナゲ(細葉石楠花)、ハクサンシャクナゲ(白山石楠花)、キバシャクナゲ。

よく似た植物

ツツジ科ツツジ属の花としてはツツジ(躑躅)、サツキ(皐月)、ミツバツツジ(三葉躑躅)、アザレア(Azalea)、カルミア(Kalmia)などがある

中国で「石南」と書くのはオオカナメモチという花で、漢方薬として葉に利尿・強壮の効果がある。このためシャクナゲにも同じ薬効があると勘違いされることも多いが、そういった効果はないらしい。

京都の石楠花スポット

寺社名 エリア ポイント
天龍寺 天龍寺 嵐山・嵯峨野 多宝殿から北門へ向かう途中に整備された「百花苑」付近
龍安寺 龍安寺 衣笠・御室・花園・太秦 境内のあちらこちらで淡いピンクの花を見ることができる
善峯寺(善峰寺) 善峯寺
(善峰寺)
西山・乙訓
隨心院 隨心院 山科・醍醐 隨心院庭園の随所で白や薄紅、赤の花を見ることができる
三室戸寺 三室戸寺 宇治 三重塔を望む山の北斜面、ツツジ園の中に1000株の西洋シャクナゲ、赤やピンク、白など色とりどり
圓光寺(円光寺) 圓光寺
(円光寺)
一乗寺・修学院 枯山水の奔龍庭前、栖龍池の周辺、鐘楼前、禅堂の裏などで淡いピンクの花
大原三千院 大原三千院 大原・八瀬・比叡山 有清園にある往生極楽院の周辺をはじめ観音堂や金色不動堂、聚碧園など境内のいたる所で見られ、苔や新緑の緑の中で咲く姿が何とも魅力的
同時期に「不動大祭さくら・しゃくなげ祭」を不動様の縁日にあたる4月28日を挟み開催(期間中は「秘仏金色不動明王」の開扉も)
実光院 実光院 大原・八瀬・比叡山 旧理覚院庭園および南側の契心園
寂光院 寂光院 大原・八瀬・比叡山
NO IMAGE 古知谷 阿弥陀寺 大原・八瀬・比叡山 紅葉の隠れた名所として知られるが、シャクナゲも美しい
NO IMAGE シャクナゲ尾根 大原・八瀬・比叡山 京都バス小出石の北西にシャクナゲ尾根登山口があり天ケ岳の東に位置
北山登山ではよく知られたGWに多くの登山者が訪れる名所
峰定寺 峰定寺 鞍馬・貴船・花背 花背奥、花背大悲山として歴史的自然環境保全地域に指定されている
シャクナゲの名所としても知られている
岩屋山志明院 岩屋山志明院 北山三村 境内に京都市指定天然記念物の原生の石楠花林、山門脇にも樹齢100年のシャクナゲがある
4/29に「しゃくなげ祭」を開催
頭巾山 頭巾山 南丹 美山と綾部、福井県おおの町にまたがる山
都道府県指定天然記念物のシャクナゲの群生地があることで知られている
NO IMAGE 長老ケ岳 京丹波町 丹波地方を代表する山で高山植物の宝庫
4月から5月にかけてシャクナゲやイワカガミなどの花が色とりどりに咲く
成相寺 成相寺 宮津・伊根 4月下~5月中旬、美人観音として有名だが、1500株ものしゃくなげが咲く名所としても知られる
舞鶴自然文化園 舞鶴自然文化園 舞鶴 アジサイ園とツバキ園が有名だが、約50本のシャクナゲ園もある

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