概要
洛北エリアの一番北側に位置し、出町柳から出ている叡山電鉄の一つ前が貴船口、終点が鞍馬となっており、エリア全体が深い山に囲まれたこのエリアの中心をなすのは鞍馬寺と貴船神社です。
鞍馬寺は奈良時代に鑑真和尚の弟子によって開山されたお寺で、鞍馬天狗の伝説と平安後期にまだ牛若丸と呼ばれていた源義経が幼少期を過ごしたことで有名です。
42万平方メートルともいわれる広大な敷地のほとんどが原生林に覆われ大自然がそのまま残されていて、険しい山道のため鞍馬側の入口である仁王門と多宝塔の間には鞍馬山のケーブルも施設されています。また貴船口側の西門の方には木の根道と呼ばれる地面を木の根が埋め尽くす道が続いていますが、この道は牛若丸が天狗に剣術を教わったという伝説も残っており、それ以外にも境内には義経ゆかりの遺構が数多く残されています。
義経伝説に触れようという参拝客で賑わうほか、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉の名所として多くの観光客が訪れます。また時代祭と同じ毎年10月22日に鞍馬寺の境内にあり鎮守社でもある由岐神社で開催される鞍馬の火祭は京都三大奇祭の一つに数えられるお祭りです。
一方貴船神社は5世紀前半の創建と伝えられる歴史を持ち、日本全国に約450社ある貴船神社の総本社でもあります。
日本における代表的な水神である高淤加美神(たかおかみのかみ)が祀られており、古くから祈雨の神として信仰されているほか、全国の料理・飲食業や水を扱う商売の人々から信仰を集めていて、境内では水占いのおみくじを引くこともできます。また参道は秋には紅葉の名所として鮮やかに彩られ、冬も見事な雪景色が周囲を覆い尽くします。
境内は本宮・結社・奥宮の3つに分かれていて、奥宮は本宮の上流に700メートルほど上がった所にあります。その中間にある結社は縁結びの神として知られ、平安時代に和泉式部が夫の愛情を取り戻すために祈願の歌を詠んだことでも知られています。
貴船口までの街道沿いを流れる貴船川沿いには多くの料亭や旅館が立ち並び、夏には「貴船の川床」と呼ばれる納涼床が夏の風物詩として行われることでも有名です。
主なスポット
- 寺社
- 鞍馬寺・貴船神社・由岐神社
- その他
- 貴船川(貴船の川床)・木の根道・鞍馬山ケーブル・くらま温泉
- ショッピング
- 鞍馬街道筋
アクセス
- 京阪鴨東線・叡山電鉄「出町柳」から「鞍馬」まで約30分
- 京阪鴨東線・叡山電鉄「出町柳」から「貴船口」まで約28分