百日紅とは?
100日間にわたって紅い花が長く咲き、幹は猿が滑るほどツルツル
DATA
学名は「Lagerstroemia Indica」、英名は「Crape-Myrtle(クレープ・マートル)」。別名「百日紅(ヒャクジツコウ)」とも。
ミソハギ(禊萩)科サルスベリ属の落葉中高木。
夏を代表する花木の一つで7月中~9月下旬にかけて、枝先に3~4cmほどの花を円錐花序に多数咲かせる、花の色はピンク・薄桃・白・紅・紅紫、花びらは6枚でちりめんのように縮れている。
中国南部原産、日本には江戸時代には伝来していたものと考えられ、北海道南部から九州にかけて分布(種子島、屋久島などの南西諸島にはシマサルスベリが自生)。
高さは約5mで大きいものだと10mぐらいまで成長する。
名前の由来
「サルスベリ」は成長に伴って古い樹皮が剥がれ落ちると、表面に現れた新しい樹皮がツルツルとして滑らかなため、木登りが得意な猿でも滑り落ちるという意味(猿滑り)。
「百日紅」の名前は紅い花が約100日と長期にわたって咲き続ける所から。
英名「Crape myrtle」は、ギンバイカ(myrtle)の花に似て、花弁がちりめん(crape)のように縮れている所から。
中国では唐代長安の宮殿・紫微宮に多く植えられたことから「紫薇」と呼ばれる。
歴史
日本では江戸中期の1694年(元禄7年)の貝原益軒の「花譜」に初めて名前が登場。この頃には伝来していたものと考えられる。
利用・用途
庭木や公園の街路樹として用いられるほか、神社の境内にもよく植えられている。
よく似た植物
日本に野生するヒメシャラ、ナツツバキ、リョウブなども樹皮がツルツルと滑らかで似ており「サルスベリ」と呼ばれる。
このため鎌倉時代の文献にも「猿滑」の名が見えるが、これが現在のサルスベリと一致するものなのかどうかは不明。