霧島躑躅とは?
一面を真っ赤に染め上げる深紅の花色が特徴
DATA
学名は「Rhododendron Obtusum」、英名は「Kirishima Azalea」。
ツツジ科ツツジ属の常緑低木でツツジの品種の一つ。
4月下~5月中頃にかけ先端が五裂した3~4cmほどの小ぶりの花を枝先につける、色は深紅で葉が見えなくなるほど密集して咲くため一面を真っ赤に染め上げる光景は息を飲む美しさ。
九州に自生ヤマツツジ(山躑躅)とミヤマキリシマ(深山霧島)を掛け合わせてできた園芸品種といわれ、 江戸時代の寛永年間(1624-1644)に薩摩で作出され、正保年間(1644-47)大坂に伝えられて京都や江戸に広まった。
高さは0.5~2m。
名前の由来
「霧島」は園芸品種としての本種を生み出した鹿児島県の地名。
また「キリシマ」「ホンキリシマ」「サタツツジ」の別名を持つ。
利用・用途
観賞用として庭木や公園の街路樹、鉢植や切花に用いられ、ヤエキリシマのやシロキリシマ、ベニキリシマなど品種も多い。
よく似た植物
ツツジの代表的品種としては他に下記のものがある。
「オオムラサキツツジ(大紫躑躅)」 赤紫色の大きな花でツツジといえばこれ
「ミツバツツジ(三葉躑躅)」 枝先に3枚葉を出し鮮やかなピンク色が特徴的
「クルメツツジ(久留米躑躅)」 江戸時代に久留米藩で育成され九州から全国に
「ヤマツツジ(山躑躅)」 日本の野生ツツジの代表格
「ヒラドツツジ(平戸躑躅)」 江戸時代に長崎県平戸市で改良された品種
「リュウキュウツツジ(琉球躑躅)」 大輪白花ツツジの代表格
「レンゲツツジ(蓮華躑躅)」 朱色の花で毒性を持つ
「モチツツジ(黐躑躅)」 紅紫色で花や葉に粘着性があるのが特徴