花菖蒲(ハナショウブ) (Japanese Iris)
アヤメの仲間で日本の初夏を彩る代表的植物
DATA
学名は「Iris Ensata」、英名は「Japanese Iris」。
アヤメ科アヤメ属の多年草植物。
初夏の5月下~6月下旬にかけて美しく大きめの花を咲かせる、花の色は、白、桃色、紫色、淡紅、青、黄など様々(野花菖蒲は赤紫)、花びらが楕円形で垂れ下がり根元に黄色い模様があるのが特徴。
日本各地や東アジアの山地および草原に自生、元は野生の「野花菖蒲(ノハナショウブ)」を原種として日本で改良された園芸品種で、改良の歴史は500年に及び、現在は日本を初夏を代表する植物となっている。
高さは40cm~1m。
名前の由来
「花菖蒲」の名前は葉がサトイモ科の別の植物である菖蒲(ショウブ)に似て美しい花が咲くことから。
「Iris」はギリシャ神話の虹の女神「イリス」から、「ensata」は剣形を意味する。
利用・用途
山地および草原に自生するほか、観賞用として庭園や鉢植え、切花などに用いられる。
種類
500年の改良の歴史を持つことから花菖蒲の種類は様々なものがあるが、大きく分けて江戸系・肥後系・伊勢系の3つがあり、これに山形県長井市で栽培されてきた長井古種とアメリカを中心とした外国系がある。
よく似た植物
アヤメ科アヤメ属の植物は世界で200種類もあるといわれ、他に主なものとしてアヤメ(菖蒲・文目)、カキツバタ(杜若)、キショウブ(黄菖蒲)、シャガ(射干)、イチハツ(一初)、ジャーマンアイリス、ダッチアイリスなどがある。
「いずれがあやめかきつばた(どちらもすぐれていて選択に迷うことのたとえ)」ということわざがあるぐらいアヤメ属の花はよく似ており、中でも区別が難しいのがアヤメとハナショウブとカキツバタ。
これらを簡単に区別する方法として花びらの根元にある模様が、アヤメや網目状、ハナショウブは黄色、カキツバタは白色。
その他にもアヤメは乾燥した土を好み、カキツバタは湿地を好む、高さはアヤメ<カキツバタ<ハナショウブ、また開花時期はアヤメとカキツバタは5月中旬だがハナショウブはそれより遅く6月になってから、などの特徴がある。