京都府京都市下京区観喜寺町、八条坊門町、梅小路頭町にまたがる総合公園で、指定管理者制度に基づき「公益財団法人京都市都市緑化協会」が運営管理する京都市営の都市公園です。
面積は総面積約13.7ha(約11万平方メートル)と広大な敷地を有しています。
「梅小路」は、平安京において幅4丈(約12m)の小路として設けられた通りの名で、その通りの北側、東西を朱雀大路と西坊城通、南北を八条大路と塩小路に囲まれる一帯の地名でもありました。
その後、公園の南部は平安末期に平清盛の広大な別邸「西八条第(にしはちじょうてい)」があった場所に相当していましたが、西八条第は1183年(寿永2年)に平家一門自らの手で火が放たれて焼失してしまっています。
現代に入り付近に京都駅が設置されると、駅からほど近いこの地には日本貨物鉄道(JR貨物)の「梅小路駅(現在の京都貨物駅)」として活用されていましたが、1990年(平成2年)3月に移転。
その跡地に平安遷都1200年を記念して整備されたのが現在の梅小路公園で、1995年(平成7年)4月29日に開園されました。
京都駅から西へ徒歩約15分と市街地の中心にありながら、人が豊かな緑と花を楽しめる「憩いの空間」として市民に広く親しまれているほか、災害緊急時には市民が避難できる「広域避難場所」としての機能も併せ持っています。
また園内には様々な施設が整備されており、緑化フェア、サーカス、京都音楽博覧会などのコンサートなど、各種行事・イベントにも数多く利用されています。
このうち無料解放スペースとしては、
いつでも自由に利用できる広々とした「芝生広場」や「中央広場」
夏には子供たちに大人気の水と親しめる「河原遊び場」
色とりどりの花が迎えてくれる花壇があるほか、毎月第1土曜日(1・5月除く)の「手作り市」など、賑わいのあるイベントが開催される「七条入口広場」などがあります。
一方有料施設としては、
遷都1200年を記念して創設された池泉回遊式の日本庭園「朱雀の庭」
自然豊かな京都で初めての復元型ビオトープ「いのちの森」
便利なレストランや多目的に利用できる貸室(和室・茶室・イベントホール)のある「緑の館」などがあります。
更に2014年(平成26年)3月8日には、長さ14mの滑り台や、高さ6mのロープ型ジャングルジムなどの大型遊具やオープンカフェなどが設置された「すざくゆめ広場」と、市交通局が保管していた京都市電の車両を保存展示した「市電ひろば」が新たに開設。
両者は線路で結ばれ、土日祝には明治期に京都市電として初めて導入された懐かしい車両の走る「チンチン電車」の運転も行われています。
また2012年(平成24)3月には、公園の北東側に京都市初の本格的な水族館「京都水族館」
2016年(平成28年)4月には、公園西側に梅小路蒸気機関車館をリニューアルした日本最大級の鉄道博物館「京都鉄道博物館」がオープンするなど、一大テーマパークとなりつつあり、来園者の数も年々増加しているといいます。
この他にも14種140本の梅が咲く梅林や朱雀の庭などの桜、ツツジの咲く芝生広場や紅葉が美しい芝生広場の南側の雑木林など、四季折々の草花も楽しめることでも知られています。