秋桜とは?
外来種だが日本の田園風景にもよく似合う清楚で可憐な秋の花
DATA
学名は「Cosmos Bipinnatus」、英名は「Cosmos」。
キク科コスモス属の一年草または多年草。
秋を代表する花として知られ、開花時期は9~10月頃が一般的だが、早咲きと遅咲きのものもあり7月下~11月下旬にかけて花姿を見ることができる。
6~10cmの大輪の花を咲かせる、花の色は淡い紅色だが園芸品種には白や赤、黄色、オレンジなどのも、本来一重咲きだが園芸品種には八重咲きのものも。
メキシコ原産、メキシコの高原地帯を中心に熱帯アメリカ地域に分布、日本に持ち込まれたのは明治初期頃だといわれている。
高さは園芸品種は40cm~1.5mぐらい、野生のものだと2~3mになるものもあるという。
名前の由来
和名の「秋桜(アキザクラ)」は秋に咲き、花びらの形が桜に似ているところから名付けられた。
学名の「Cosmos」はギリシャ語の「Kosmos」に由来しカオスと対をなす「宇宙観(秩序正しく調和のとれた美しさ)」を意味。
また「Bipinnatus(ビピンナツス)」は「2回羽状の」という意味で羽状の細かい葉姿を表している。
歴史
原産地はメキシコの高原地帯だが、18世紀末にスペインの探検隊によりヨーロッパへ持ち込まれて栽培、1791年にスペインのマドリッド王立植物園園長アントニオ・ホセ・カバニエスにより「コスモス」と名付けられたという。
日本持ち込まれたのは1876年(明治9年)に日本最初の美術教育機関として設置された工部美術学校に教師として招かれた3人のイタリア人のうち彫刻科を担当したヴィンツェンツォ・ラグーザといわれている。
彼の妻はのちに日本最初の女流洋画家となるラグーザ・玉で、彼女の家を訪問する際に贈られたものの中にコスモスの花があったという。
1904年(明治37年)の雑誌・明星に掲載された与謝野晶子の「ひらきぶみ」にもその名があり、また1909年(明治42年)には文部省が全国の小学校にコスモス種を配布していることから、この頃には既に一般的に栽培されていたものと考えられている。
利用・用途
園芸品種も多く日本でも観賞用に庭植えされたりしている。
また河原や休耕田、スキー場などを利用してコスモス畑やコスモス園が造られ観光資源となっている場合も多い。
よく似た植物
メキシコには20種以上の野性種があり、「コスモス」の名前はコスモス属の総称としても用いられる。
このうち日本でよく知られているのは以下の3つ
「大春車菊(オオハルシャギク)(Cosmos bipinnatus)」
一年草、狭義に「コスモス」というと「大春車菊(オオハルシャギク)」を指す
「キバナコスモス(Cosmos sulphureus)」
一年草、花の色は黄色またはオレンジ
「チョコレートコスモス(Cosmos atrosanguineus)」
多年草、花の色は黒紫色でチョコレートの香りがする