芒(ススキ)(Japanese Pampas Grass)

芒(ススキ)

芒(ススキ)とは?

秋風に揺れる姿が風流、お月見にも欠かせない秋の七草の一つ

DATA

学名は「Miscanthus Sinensis」、英名は「Japanese Pampas Grass」または「Japanese Silver Grass」。「カヤ(萱)」「ミクサ(御草)」「オバナ(尾花)」の別名あり。
イネ科ススキ属の多年草植物で秋の七草の一つ。
夏から秋にかけての9月~10月に、茎の先端に長さ20~30cm程度の十数本に分かれた花穂をつける、花穂は赤色、花が咲いた後に白い毛が生えた種子(穎果・枯れ尾花)をつけて穂全体が白っぽくなるのが大きな特徴。葉は鋸歯で注意が必要。
東アジア原産で、日本のほか中国、台湾、朝鮮半島やマレーシアなどに分布、日本では北海道から九州・沖縄にかけて全国的に見られる。
高さは1~2mだが、沖縄などでは常緑で高さが5mに達する場合もありサトウキビと勘違いされることもあるという。

名前の由来

「ススキ」の由来は「スス」はすくすく(直々)と育つという意味からきているとするものや、細いという意味の「細小」あるい「笹」など諸説あり。
漢字名の「芒」は中国表記、「薄」の方は和製漢字で草が茂っている様子を表す。
別名の「尾花」は花穂が動物の尾に似ていることに由来(「万葉集」で山上憶良が詠んだ秋の七草の歌や「幽霊の正体見たり枯尾花」という諺など)。
「Miscanthus(ミスカンサス)」はギリシャ語の「mischos(小花の柄)+ anthos(花)」が語源。

歴史

秋風に揺れる風流な姿は、万葉の時代よりたくさんの和歌や詩に読まれているほか、十五夜の月見に団子とともに飾られる習慣はよく知られている。

その他にススキに関連する有名な行事として「茅の輪くぐり(夏越しの大祓)」がある。6月末に行われ茅草で作られた「茅の輪」をくぐることにより、正月から半年間の罪穢を祓うことができる。

利用・用途

観賞用

平地や日当たりのよい山地などに生息しごく普通に見られる。

その他

古くは「茅(かや)」と呼ばれ、草葺(かやぶき)屋根の材料や家畜の餌として利用され、集落の近くには「茅場(かやば)」と呼ばれるススキの草原があるのが一般的だった。

よく似た植物

「トキワススキ」

ススキよりさらに大きく、花期が7月~と早いため真夏の頃から穂を楽しめる。

「ムラサキススキ」

ススキの小穂の基部の毛が紫色を帯びる。

「オギ(荻)」

やや華奢な植物で、水辺に生えて、綿毛が純白。

「カリヤス(苅安)」

ススキに大変よく似ているが、高さ約1mと少し小型。古くから黄色染めの染料植物として有名。更にこれに似た植物として「カリヤスモドキ」がある。

京都の芒スポット

寺社名 エリア ポイント
平安神宮 平安神宮 岡崎・吉田・鹿ケ谷 10月上~下旬、東神苑、泰平閣を望む栖鳳池の池畔
常林寺(萩の寺) 常林寺
(萩の寺)
岡崎・吉田・鹿ケ谷 10月上旬、萩の名所として知られるが、萩の中にススキも植えられ秋の風情を感じることができる
了徳寺(大根焚寺) 了徳寺
(大根焚寺)
衣笠・御室・花園・太秦 親鸞聖人の「すすき塚」の伝説が残る寺院
源光庵 源光庵 紫野・鷹ヶ峯 山門前の参道の両脇や境内にも
詩仙堂 詩仙堂 一乗寺・修学院 10月中旬、石川丈山作の庭園では四季折々の草花が楽しめる
NO IMAGE 八幡木津自転車道線 八幡 木津川沿いのサイクリングロード

TOPへ