京都府福知山市観音寺、福知山市東部のJR石原駅から徒歩15分の所にある高野山真言宗の寺院。
山号は補陀洛山(ふだらくさん)、本尊は十一面千手千眼観世音菩薩(千手観音)。
奈良時代の720年(養老4年)、インドの帰化僧・法道が一霊木から本尊十一面千手観音菩薩を刻み草堂に安置したのがはじまり
平安中期の961年(応和元年)、「市聖」と称される空也により中興され、七堂伽藍が建立され、丹波地方の観音信仰の中心として栄え、鎌倉時代には北条時頼・貞時らの厚い庇護を受け、25余坊の寺坊を持つ大寺院となり最盛期を迎えますが、戦国時代の1576年(天正4年)に戦国武将・明智光秀による焼き討ちにより焼失します。
その後、江戸後期の1784年(天明4年)に大聖院・多聞院・本堂が再建され、更に明治時代に入った1896年(明治29年)に「補陀洛山観音寺」として統合され現在に至っています。
現在は「丹波のあじさい寺」として有名ですが、これは戦後間もない頃、観音菩薩の霊力で眼病が治ったお礼にと、一人の老女が山門近くに七色に変化する光の花・紫陽花(アジサイ)を数本植樹したのが「あじさい寺」のはじまり。
その後、1964年(昭和39年)に本尊の秘仏・十一面千手千眼観世音菩薩の御開帳する際、多数の灯明と花を供える「万灯万華会(まんとうまんげえ)」を開催せんとの発願があり、以前植樹された紫陽花がよく育ったこともあって万華の花として選ばれ、様々な種類のものが植樹されることになったといいます。
そして現在は見頃の時期には100種1万株ともいわれる青やピンク、白色の色とりどりの紫陽花(アジサイ)が、仁王門前や参道の両脇、七観音霊場など境内全体を埋め尽くし、訪れる人の目を楽しませています。
その他にも新緑や紅葉、冬の蝋梅など、四季折々の草花を楽しむことができ「関西花の寺二十五カ所」の第1番札所にも選ばれています。
行事としては毎年2月11日に開催される「大護摩大祭」は100年の伝統を誇る丹波地方で最大の祈祷祭で、多くの僧侶や行者によって交通安全や商売繁盛、良縁拝受、心願成就などの各種の祈祷が行われます。
また紫陽花の見頃に時期に合わせて毎年6月の第4日曜日には「あじさいまつり」も開催され、アトラクションや住職の心安らぐ法話などの様々なイベントで境内は賑やかな雰囲気に包まれます。