京都府向日市上植野町南開、京都府長岡京市に近い向日市の南側にある阪急京都本線の駅。
普通・準急のみが停車しそれ以外は通過する特急通過駅で、駅スタンプは長岡京跡。
1928年(昭和3年)11月1日に新京阪鉄道の新京阪線が高槻町(現在の高槻市駅)から京都西院駅(現在の西院駅)まで延伸されるのに合わせて「西向日町駅(にしむこうまちえき)」として開業したのがはじまり。
その後1930年(昭和5年)9月に会社合併により京阪電気鉄道(現在の京阪の前身)の駅となり、更に1943年(昭和18年)10月に戦時中の企業統合政策によって京阪電気鉄道と京阪神急行電鉄(現在の阪急)と合併したのを経て、戦後の1949年(昭和24年)に京阪神急行電鉄(阪急)から京阪電気鉄道(京阪)が再度分離した際に新京阪線は京阪神急行電鉄(阪急)の路線となり、京都本線と改称されるとその所属駅となります。
そして1972年(昭和47年)10月1日に向日町が市制施行によって「向日市」となったのに合わせて「西向日駅」と改称され、現在に至っています。
相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、東西にそれぞれ駅舎出入口とホームがあり、2つのホームの間は地下道により連絡されています。
この点、駅の周辺一帯はちょうど794年(延暦13年)の平安京遷都の前の784年(延暦3年)から約10年の間「長岡京」の都が置かれたまさにその場所にあり、駅の北側にはそのことを示す石碑などが設置た「大極殿跡」と、その跡地に整備された「大極殿公園」があるほか、駅の周辺にはこれに関連した史跡が点在しています。
そしてその大極殿公園を西へ進んでいくと「五辻」と呼ばれる五差路になっていて、このうち北にある阪急東向日駅から駅の西側にあるこの交差点を通過し南へと続いている「西国街道」は京都の東寺口を起点として、向日市を経て摂津の西宮まで続く古い街道で、京から西国へ向かう主要幹線道路ですが、向日市の市内では北側のJR向日町駅から東向日駅に南側を経て南の西向日駅の方に向けて街道が続いており、東向日駅そばの梅の木の道標付近や西向日駅に近い中小路家住宅前や石塔寺前などには昔ながらの歴史を感じさせる古いあたずまいが残されていて、1992年(平成4年)には散歩道として整備されています。
この五辻交差点から西国街道を北へ少し進んだ所には向日の地の鎮守である「向日神社」が鎮座するほか、近年は「KARA1グランプリ」の会場にもなっている「向日町競輪場」があり、またやや南には京都府の無形民俗文化財に指定されている「鶏冠井題目踊り」で知られる「石塔寺」などがあります。
一方駅の東側には阪急の駅の開業直後の1929年(昭和4年)に田園都市の思想に基づく街として、長岡京の跡地に阪急の前身である新京阪鉄道によって開発された「西向日住宅地」があり、ロータリーを要する噴水公園を中心に碁盤の目に整備された昭和モダンな街並みが特徴的ですが、街路はその歴史的景観を生かした散歩道として整備されており、春には街路の至る所が桜並木となり、近隣住民の目を楽しませてくれます。
また駅のホーム東側も桜並木となっているほか、前述の大極殿公園や向日神社も桜の名所として知られていて、春の桜シーズンには西向日駅を起点にこれらの桜スポットを合わせて巡るのもおすすめです。