京都府向日市、阪急西向日駅の南東に広がる閑静な住宅街「西向日住宅」に噴水公園を中心に整備された桜並木のある街路。
「西向日住宅地」は、昭和初期の1928年(昭和3年)11月1日に「西向日町駅(後の阪急西向日駅)」が開設された直後の1929年(昭和4年)に田園都市の思想に基づく街として、長岡京の跡地に新京阪鉄道(現・阪急電鉄)によって開発され誕生した住宅街で、ロータリーを擁する噴水公園を中心に碁盤の目に整備された昭和モダンな街並みが特徴的です。
これは開発時から自治会誌の発行や街路樹の保全など、住民自らの手で良好な居住環境を守る活動が絶えることなく受け継がれてきたたまもので、当初の区画をそのままに街路はその歴史的景観を生かした散歩道として整備されており、とりわけ春には街路の至る所が桜並木となり、桜と街並みの美しいコントラストが人々の目を楽しませます。
現在も住民有志で組織された「西向日の桜並木と景観を保存する会」によって桜並木をはじめとする景観を守り、歴史・文化資源を大切にし後世に残し伝えていくための住民憲章「桜並木のまち憲章」を発信するほか、桜の見頃の時期に合わせてライトアップやコンサート、その他のイベントも活発に行っており、こうした住民活動の地道な積み重ねが評価され、2018年(平成30年)3月29日には「西向日・桜の径と住宅地景観」として「京都府景観資産」に登録されています。