京都市右京区花園大藪町、臨済宗妙心寺派大本山・妙心寺の境内の一番西端に位置する妙心寺の塔頭寺院。
妙心寺四派(龍泉派・東海派・霊雲派・聖澤派)のうち当初は東海派に属し、のちに龍泉派となりました。
江戸初期の1614~15年(慶長19~20年)にかけて行われた有名な「大坂の陣」で活躍した真田幸村(信繁)の兄で、松代藩の初代藩主・真田信之(さなだのぶゆき)の菩提寺で、江戸初期の1662年(寛文2年)、真田信之の孫・長姫(おさひめ)が祖父・信之の遺命により菩提所として創建しました。
長姫は妙心寺東海派玉浦下の絶江紹提(ぜっこうしょうだい)に参禅しており、その法嗣・淡道宗廉(たんどうそうれん)を開祖とし、寺名は真田信之の法名「大法院殿徹岩一明大居士」にちなんだものです。
また長姫の姻戚開係から、久我家・千種家・真田家・内藤家の四家の香華寺にもなりました。
境内の建物には真田家の家紋「六文銭」もみられるほか、松代藩の真田家一門の墓もあり、また幕末の兵法学者で8代藩主・真田幸貫の儒臣を務め、攘夷派に暗殺された松代藩士・佐久間象山(さくましょうざん 1811-64)の墓があることでも知られています。
また双ヶ岡を借景とした露地庭園が美しいことで有名で、通常非公開ですが、春の新緑と秋の紅葉の時期のみ特別公開されています。
知る人ぞ知る山内きっての紅葉の名所で、書院から美しい露地庭を眺めつつ、ゆっくりと抹茶の接待を受けくつろぐことができます。
この他にも当院の住職と親交が厚く、現役時代から妙心寺で開催されている紅葉を楽しむ「もみじの会」に参加していた縁で、2017年(平成29年)には「昭和の大横綱」千代の富士(ちよのふじ 1955-2016)の顕彰碑が境内に建立されました。