京都市右京区嵯峨天龍寺車道町、渡月橋を挟んで北側の嵯峨野地域にあるJR西日本(西日本旅客鉄道)の運営するJR山陰本線(嵯峨野線)の駅。駅スタンプは渡月橋。
1897年(明治30年)2月15日、京都鉄道の開業当初の終着駅である「嵯峨駅」として開業したのがはじまりで、その後1899年(明治32年)8月に園部駅まで延伸されたため途中駅に。
その後1907年(明治40年)8月に京都鉄道は国有化されましたが、1987年(昭和62年)4月1日の国鉄の分割民営化に伴ってJR西日本(西日本旅客鉄道)の駅となります。
元々の駅名は「嵯峨駅」で、JRに移行後もその駅名のままでしたが、平安京遷都からちょうど1200年にあたる1994年(平成6年)の9月4日に嵐山の名称を加えた「嵯峨嵐山駅」に改称され、他の嵐山にある駅と比べると嵐山からは若干離れた位置にあるものの、関西有数の観光名所である嵐山・嵯峨野へのJRにおける玄関口として外国人観光客をはじめ多くの利用客で賑わう駅となっています。
また路線名については1912年(明治45年)に京都線は山陰本線に編入され現在も山陰本線の駅ですが、1988年(昭和63年)に路線愛称の制定によって京都駅から南丹市園部の園部駅までの区間に「嵯峨野線」の愛称が付けられ、嵯峨野山陰線の駅と案内されるようにもなりました。
駅舎は1897年に京都鉄道の駅として開業した当時の駅舎がずっと使われ、JR西日本では最古の現役駅舎かつ貴賓室も備えレトロかつモダンな駅舎として知られていましたが、嵯峨野線区間である京都~園部間の完全複線化に向け橋上駅舎への改築が決まり、2008年(平成20年)に付近の景観に溶け込むように和風の内外装を持つ新たな橋上駅舎へと生まれ変わっています。
島式ホーム2面4線を有する地上駅で、橋上駅舎にある改札口からは南北の出入口に通じ、いずれの出口にも駅前広場が整備されているほか、タクシーへの乗り継ぎが可能なロータリーも設置されています。
鉄道の接続路線としては嵯峨野観光鉄道の嵯峨野観光線、いわゆるトロッコ列車の「トロッコ嵯峨駅」と隣接していて、京都駅から乗り換えなしでアクセスできるようになっているのが魅力の一つです。
また駅の南は商店街を経て嵐電嵐山本線の「嵐電嵯峨駅」へと接続しており、更に南へ少し離れた渡月橋北側に嵐電嵐山駅と、渡月橋を渡って南へ進んだ先に阪急嵐山駅があり、合わせて利用されています。
そしてバスに関しては最も近いのは駅の北口から北へ進んだ丸太町通との交差点にある「嵯峨嵐山駅前」バス停があるほか、駅から西へと進んだ嵐山のメインストリートである長辻通と竹林の小径・野宮神社へと続く小道が交差する地点にある「野々宮」バス停、そこから南へ進んだ嵐電嵐山駅前の「嵐山天龍寺前」バス停などが徒歩圏内です。