「嵐山公園(あらしやまこうえん)」は京都市右京区嵯峨及び西京区嵐山、府内随一の景勝地・観光名所である嵐山の渡月橋を挟んで桂川の上流・下流に広がる京都府立の都市公園。
面積はおよそ10.6ヘクタールあり、明治末期に開かれた小倉山の南東、上流左岸(北側)にある「亀山地区(亀山公園)」と、渡月橋および渡月小橋に挟まれた清流の中州にある「中之島地区(中之島公園)」、そして昭和になって開かれた下流左岸(北側)の「臨川寺地区」の3つの地区で構成され、エリア毎に異なる景観が広がります。
このうち「中之島地区」は名前のとおり、桂川の中洲、嵐電嵐山駅や天龍寺などのある北の嵯峨側から渡月橋を渡った下流を中心に整備されており、観光名所・嵐山のシンボル的存在である渡月橋に隣接することから、四季を通じて観光客が絶えることはない場所です。
市民の憩いの場にもなっており、野鳥も飛び交う美しい自然の中で散策を楽しんだり、釣りを楽しむ人の姿も見られるほか、上流右岸の渡月小橋を渡った所には嵐山通船の貸しボート乗り場もあり、多くの観光客がボート乗りを楽しむ姿が見られます。
また飲食店や土産物屋など店も軒を連ねており、食事や買い物も楽しめるほか、園内には松や桜の木が多く、特に桜の季節には多くの観光客や花見客で賑わいます。
とりわけ下流側(南岸)の川岸から中ノ島橋を経てサイクリングロード、嵐山東公園へと通じる一帯には大きな枝垂桜や染井吉野(ソメイヨシノ)の桜並木などがあり、渡月橋をバックに桜を撮影したり花見を楽しむ人が多く、見頃の時期には屋台も出て大いに賑わいます。
この他にも車折神社の「三船祭」、愛宕神社と野宮神社の「嵯峨祭」、松尾大社の「八朔祭」、「五山の送り火」での「灯籠流し」、野宮神社の「斎宮行列」、そして「若鮎祭」や「嵐山もみじ祭り」、「嵐山花灯路」などが開催されることでも知られています。
ちなみに「亀山地区(亀山公園)」は小倉山の南東部を占める丘陵地に広がる公園で、美しい自然に囲まれた丘に園路を巡らせ、途中には広場や休憩所のほか、見晴らしの良い展望台なども整備されています。
とりわけ西側の展望台は保津峡を見下ろすことができる抜群の眺望が広がり、一見の価値ありです。
また「臨川寺地区」は渡月橋下流左岸にあり、老齢のアカマツを主体にサクラやカエデを交えた並木が続き、対岸の中之島地区と一体となって風情ある景観を形作っています。