京都市右京区嵯峨天龍寺造路町にある京福電気鉄道、通称「嵐電(らんでん)」の嵐山本線の駅。駅スタンプは渡月橋と虚空蔵法輪寺。
嵐山本線の西側の終着駅で、東側の終着駅で京都市内の中心にある「四条大宮駅」までを結んでいます。
嵐山には他に北側にJR山陰線「嵯峨嵐山駅」と渡月橋を渡った南側に阪急嵐山線「嵐山駅」もありますが、国屈指の名勝で京都のみならず日本を代表する有数の観光地・嵐山において、嵐山のシンボルである渡月橋や世界遺産・天龍寺の門前を通るメインストリート「長辻通」に面する、まさに嵐山の玄関口といえる駅です。
「嵐電」は1910年(明治43年)に嵐山電車軌道の駅として開業し、1918年(大正7年)に会社合併により京都電燈が経営する嵐山電鉄の駅、更に1942年(昭和17年)に路線継承により京福電気鉄道の駅となりました。
既に廃線となっていますが、戦前の1929~44年にかけては愛宕山鉄道が、愛宕山の愛宕神社への参詣路線としてこの駅から発着していたといい、現在は京都で唯一の路面電車で、レトロな雰囲気満載でローカル線の雰囲気が楽しめるとして人気を集め、「第4回近畿の駅百選」にも認定されています。
嵐山駅は頭端式ホーム3面3線の地上駅で、駅舎は3階建て。
2階と3階部分は2002年(平成14年)まで日本初の女性専用ホテル「嵐山レディースホテル」として営業された後、土産物屋や漬物屋、飲食店などが入った商業施設「嵐山駅はんなり・ほっこりスクエア」に改装されました。
また2007年(平成19年)10月にはインテリアデザイナーの森田恭通氏のデザインで全面改装されています。
2004年(平成16年)には駅構内に「駅の足湯」を開設。
日本有数の温泉地・別府にあるJR九州「由布院」駅や、「もみじの足湯」で知られる阪急電鉄「箕面」駅との間で駅の足湯で姉妹提携を結んでおり、足湯前では「ふれ愛地蔵」が優しい表情で利用者を出迎えてくれます。
2013年(平成25年)には駅全体を全面改装。
改札口が撤去され構内に自由に出入りできるようになり、電車に乗らなくても足湯や駅の店舗が利用できるようになったほか、ホーム上屋の延長やトイレの改修、東口の新設など大幅な改修が行われました。
更に再び森田恭通氏によるデザインの下、「キモノ・フォレスト(友禅の光林)」と命名された美しい京友禅のポール約600本が森のように立てられ、夜はLED電灯で透過させた京友禅の幻想的なライトアップが楽しめるようになり、駅構内の様子がより一層華やかとなりました。
天龍寺にちなんだ龍の玉を配した「龍の愛宕池」やさくらの小経などもあり、駅でありながら気軽に散策できる観光スポットにもなっています。
駅のコンコース広場では真夏の「妖怪電車」ほか、数多くのイベントを開催しており、毎年5月から9月頃にオープンするビアガーデン「RANDEN EKI-BEER(ランデンエキビア)」は夏の嵐山駅の風物詩となっています。
駅前にはバス停やレンタサイクルの店などもあり、観光の拠点として多くの観光客に利用されています。