京都市右京区嵯峨天龍寺車道町にある、嵯峨野観光鉄道の嵯峨野観光線、通称「トロッコ列車」の駅。駅スタンプはトロッコ列車の車両。
「トロッコ列車」は京都を代表する観光名所である名勝・嵐山のJR嵯峨嵐山駅と連絡する、トロッコ嵯峨駅からトロッコ亀岡駅までの片道約7.3kmを約25分で結ぶ観光列車。
JR西日本旅客鉄道の完全子会社である嵯峨野観光鉄道(株)が運営し、「嵯峨野トロッコ列車」の通称で親しまれて、四季折々の保津川渓谷の美しい景色が満喫できるとして近年人気を集めています。
営業開始は1991年(平成3年)のこと。
1989年(平成元年)3月にJR山陰本線(嵯峨野線)の嵯峨駅(現在の嵯峨嵐山駅)~馬堀駅間が複線化のため新線に切り替えられたことをきっかけに、使われなくなった旧山陰本線の線路の一部を利用して観光鉄道を走らせることで新たな観光資源として活用する目的で、1990年(平成2年)に新会社として「嵯峨野観光鉄道株式会社」が発足しました。
そもそも観光列車を走らせるということ自体に賛否両論があったという中、社長以下スタッフわずか9名からスタートしたというこのプロジェクトは、廃線後しばらく放置され荒れ果てていた路線の整備や美化にスタッフが一丸となってコツコツと取り組み、企画や営業活動を行った結果、1991年(平成3年)4月27日にトロッコ列車の第1号の出発へとこぎつけることができたのでした。
そして乗客数は当初予測していた初年度年間23万人をはるかに超える69万人をを記録し、現在では年間100万人を超える利用客を数えるまでに成長しています。
そもそもJR山陰本線旧線のルートは景勝地である保津峡に沿って走っており、眼下に広がる渓流や奇岩など自然の生み出した美しい渓谷美を車窓から楽しめることは以前から知られていました。
しかしこれに加えて事業を発足した際に沿線沿いに桜守・佐野藤右衛門の協力により桜を植樹したり、楓の苗を植えるなどの工夫を凝らしたことにより、それらの木々が大きく育った現在では桜や紅葉の名所としても知られるようになったことで、春の桜、夏の緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々に違った景色が楽しめる観光スポットとして人気に拍車がかかっています。
トロッコ列車の客車はDE10型ディーゼル機関車に引かれる形の5両編成で、赤い車体に山吹色と黒の模様のアール・デコ調の客車の中には、木製椅子と裸電球が設置され、クラシカルかつレトロな雰囲気の中で旅情あふれるノスタルジックな旅が楽しめる仕様になっています。
これに加えて平均速度は時速約25kmと自転車を速く漕いだくらいのスピードで走行し、更に景色の美しい見どころでは速度を落としたり一時停止してくれるので、ゆったりと景色を眺めつつ、旅の思い出を記念写真として残すこともできます。
更に途中には50の鉄橋と8つのトンネルがあり、トンネルを抜けるたびに新しい景色が広がるのも魅力的なほか、列車内に流れる車掌さんの案内もユニークで面白いと評判です。
この他にも時折、同じく亀岡から嵐山までを結ぶルートを通る「保津川下り」で川下りをしている船が見えることもありますが、両者のルートは重なる部分も多いことから、往路をトロッコ列車で亀岡まで行き、トロッコ亀岡駅からJR嵯峨野線馬堀駅までを徒歩で約10分歩いた後、そこからJRで亀岡駅まで移動して、復路は舟で「保津川下り」を楽しむというのもお勧めです。
所要時間は約25分で、1日に8往復運行されており、原則昼間の運行ですが、紅葉の時期には夜間ライトアップも開催されています。
運休日は毎週水曜日と、冬期の12月30日~2月末日までですが、桜や紅葉の行楽期には毎日運行しています。
そして切符は1ヶ月前より発売されていますが、春の桜のシーズンと秋の紅葉シーズンはとりわけ人気が高いので、早めの購入がおすすめです。