時代劇のロケ地に使われ紅葉で有名な妙心寺派の三龍寺
臨済宗妙心寺派。古くより子供のかん虫に効き目があると信仰。
標高431mの行者山麓に位置し龍安寺と南丹市八木町の龍興寺とともに妙心寺派の三龍寺。
自然を活かした老木奇岩の庭園は府指定名勝、時代劇のロケにも使われ紅葉のライトアップでも有名。
庚申堂安置の青面金剛童子立像は細川政元の念持仏
龍潭寺のみどころ (Point in Check)
京都府亀岡市稗田野町太田東谷、標高431mの行者山麓に位置し、京都の世界遺産・龍安寺と南丹市八木町の龍興寺とともに「妙心寺派の三龍寺」と呼ばれる臨済宗妙心寺派の寺院。
山号は金剛山(こんごうざん)で、本尊は聖観世音菩薩。
1400年代応仁の乱の頃に京都・龍安寺の僧で妙心寺四派の祖でもある妙心寺6世・雪江宗深が当地に庵を設け「大梅寺」を創建したのがはじまり。
その後、1489年(延徳元年)に火災で焼失しますが、数年後の1497年(明応6年)、弟子の特芳禅傑(とくほうぜんけつ)がここに移り住み、細川氏の家老・松井宗信も隠棲するに及んで細川政元(ほそかわまさもと)の後援を受けて堂宇を再建し「金剛山龍潭寺」と改めました。
その後、戦国時代の1577年(天正5年)に明智光秀の丹波攻めの兵火で焼失しますが、皇室や徳川家の帰依が厚く漸次復興されています。
現在の三宝殿は1729年(享保14年)、庫裡および方丈は文化・嘉永年間の再建。
近世には瑞龍院・青巌院・福壽庵などの塔頭を有したものの、明治期に廃院となっています。
古くより子供のかん虫に効き目があるとして広く信仰を集めており、方丈の裏山にある庚申堂に安置されている「青面金剛童子像」は細川政之の念持仏で病魔・悪魔を払う大威力を持つといわれています。
門前の庭園は枯山水庭園とは趣を異にする、中国・天目山に比される自然を活かした老木奇岩の名園で、京都府の名勝に指定されており、また静寂に包まれた境内の落ち着いた雰囲気から映画や時代劇のロケ地としても使用され、紅葉のライトアップでも有名。
寺宝としては、名僧や巨匠が来住された関係で古い室町時代の典籍や絵画などが数多く残されおり、中でも特芳の弟子・大休の筆による松井宗親寿像や、特芳禅傑頂相隠元禅師直筆の墨跡、徳川家康から下賜された陣羽織で作った袈裟などは当寺の重宝中でも最も貴重な史料といわれています。