京都市左京区静市市原町、京都市北東の岩倉盆地の北西にキャンパスを有する「京都精華大学」のキャンパス前にある叡山電鉄鞍馬線の駅。
この点「京都精華大学」は京都市左京区岩倉木野町に本部を置く私立大学で、1968年(昭和43年)に英語英文科、美術科の2学科をもつ短期大学として開学した後、1979年(昭和54年)に美術学部(2000年に芸術学部に改称)を有する4年制の大学となりました。
その後は1989年(平成元年)に人文学部、2006年(平成18年)にデザイン学部およびマンガ学部、2013年(平成25年)にはポピュラーカルチャー学部を開設するなど、学問の領域を常に広げ、2018年(平成30年)に創立50周年を迎えました。
中でも同大学を特徴づけているのが国内で初めて開設されたという「マンガ学部」で、短期大学時代から既にマンガクラスが開設され、その後、美術学部デザイン学科内の専門分野、芸術学部マンガ学科を経て、2006年(平成18年)にマンガ学部として独立を果たしました。
そしてマンガ学部の設立の同じ年に京都市と共同で設立されたのが烏丸御池の北にある「京都国際マンガミュージアム」で、マンガの総合博物館として関連資料は約30万点に及び、このうち5万冊は自由に閲覧することができるほか、京都精華大学の国際マンガ研究センターの研究活動も行われています。
1968年(昭和43年)に大学が設置された当初は当駅より約700mほど東にある同じ叡山鞍馬線の木野駅が大学の最寄駅として多くの学生に利用されていましたが、1989年(平成元年)9月21日に当駅が新たに新設され、現在の所は叡山電鉄の駅の中では最も新しい駅となっています。
相対式2面2線のホームを持つ地上駅で、ホームは全体が上屋で覆われ、美術系の大学に相応しくホームごとに上屋や柱・壁のデザインが変えられていて、無人駅ですが入学式や受験日などの大学の行事がある日や朝のラッシュ時には係員が配置されることがあり、そのため両出入口の脇に係員の詰所が設置されています。
出入口は両方のホームにそれぞれ設けられていて、その両側のホームを結ぶようにイタリア人の建築家・パラディオの設計したトラス橋を元にした「パラディオ橋」という跨線橋が架けられており、南側の貴船口・鞍馬方面からは橋を渡った先、北側の宝ケ池・出町柳方面からは階段を上った橋の北詰が通用門となっていて、キャンパスの中心部に直結されており、大学の正門から向かうより近い距離となっています。
京都精華大学のある山の斜面の南側の山裾部分に位置し、駅の反対側は元々は農地が広がっていた場所でしたが、2000年前後からは住宅も増え、同じく以前は田畑の多かったものの近年は住宅の増えている南側の幡枝地区の住民の世も利益にもなっており、また史跡・観光スポットとしては駅にほど近い位置にある更雀寺(雀寺)や、旧幡枝村の産土神として信仰を集め「針供養」の行われる針神社のある「幡枝八幡宮」、そして後水尾上皇が修学院離宮を完成させるまで済んだ幡枝離宮を禅寺に改めたもので、国の名勝にも指定されている比叡山を借景とした美しい枯山水庭園があることで知られている「円通寺(圓通寺)」などへのアクセスにも便利です。