「川床」とは京都の夏の風物詩の一つで、蒸し暑い京の夏を涼しく過ごすため、川沿いに店を構える料理店や茶屋が川の上など屋外に設ける座席のこと。
京都では例年5月初め頃から9月末頃まで、鴨川、貴船、高雄、鷹峯などで楽しむことができます。
そもそも京都において「川床」の文化が始まったのは、およそ400年前の安土桃山時代から江戸時代にかけてのことで、鴨川の横にあった茶店などが夏の涼を求めて、床几(しょうぎ=腰掛け)を並べて鴨川に桟敷を設け、客をもてなした「鴨川納涼床」がはじまりだといわれています。
「高雄」は京都の市街地から日本海へと通じる周山街道の入口となる高雄・槇尾・栂尾の「三尾」と呼ばれる地域のうちの一つで、京都市の西の方に位置し、都会の喧騒から離れ北山杉の美しい林が広がる自然美溢れる山里の風景が残る別世界といえる場所。
燃えるような真っ赤な紅葉が楽しめる京都でも有数の紅葉の名所として知られていますが、夏は京都市の中心部より3~5度は気温が涼しいといわれ、古くから夏の別天地として知る人ぞ知る「川床の名所」です。
「高雄の川床」は清滝川の清流を眼下に望む川沿いに桟敷が設けられ、また屋根がついているため日差しが強い日も雨の日も安心して川床を楽しむことができるのが特徴で、また他の川床の営業期間が5月初~9月末までなのに対し、店舗により異なるものの、昼は4月初~11月末、夜は6月上~9月下旬まで営業をしており、四季折々の美しい情景を楽しみながら季節に合わせた食事が味わえるのも魅力です。
他の地域よりいち早く4月からスタートする「花の床」では生き生きとした新緑に囲まれ、青もみじを愛でながらの食事を楽しむことができ、夏の「納涼の床」の時期は6月上~下旬にかけては清流川を飛び交う天然記念物のゲンジボタルを見ることもできるほか、夜のプランでは食事をしながら舞妓さんとの歓談や舞の鑑賞、記念撮影などが可能となっています。
更に夏が終わった後、秋にかけても紅葉も楽しめる川床「紅葉の床」があり、見事を迎えた高雄の紅葉を眺めながら川床を楽しむことができるのも魅力的です。
また「宿泊プラン」の他に「日帰りの食事プラン」も用意されていて、ホテルオークラなど京都市中心部や駅前のホテルに宿泊しつつ川床を楽しむということも可能となっています。
高雄周辺では以下の4店で川床を楽しむことができます。
もみぢ家(会席・宿泊)
高雄観光ホテル(会席・宿泊)
高雄 錦水亭(弁当・会席・宿泊)
とがの茶屋
「高雄 もみぢ家別館 川の庵」
創業100年余を誇る民芸調合掌造りの宿で、専用の吊り橋を渡ると清滝川の清流に張り出すように一段高い位置に屋根付きの川床が建てられており、せせらぎの音に包まれながら天然鮎、京野菜など旬の食材を使った川床料理を楽しむことができます。
期間は昼が5月初旬から11月末、夜は6月1日~9月末頃まで。
渓谷を埋め尽くす青々としたカエデが眺められるほか、源氏ボタルを観賞しながらのプランや6月9日~9月23日の夏季限定の夜会席では舞妓さんとお話ししたり、京舞を鑑賞できるプランもあり、写真撮影にも応じてくれます。
「高雄錦水亭」
料理旅館として名高い宿で、京野菜やアユ、ハモなどが並ぶ豪華な「納涼会席」のほか、昼のランチタイムには「松花堂弁当」のプランも用意されています。
期間は5月1日~9月末日までで、6月10日頃から約1か月は清滝川にゲンジホタルが飛び交う幻想的な風景を楽しむことも可能です。
「高雄観光ホテル」
最大300名様まで利用でき、各種宴会などの団体様はもちろん、修学旅行にも対応。
昼の川床料理は5000円前後とお値打ちで、夜は10000円くらいから
お昼は4月~11月まで、夜は6月中旬から9月中旬まで
6月上旬から7月上旬にかけては20時過ぎ頃から席に座ったまま手すり越しに清滝川を飛び交う天然の源氏ボタルが見られるほか、舞妓が舞う京舞と共に川床料理を味わうプランも用意されています。
「とが乃茶屋」
京都の世界遺産の一つである高山寺の裏門前にある、大正時代創業の老舗の風流茶亭で、清竜川にせり出すように設けられた3棟のお店や川床の座敷から水辺の景色を楽しむことができます。
1500円からとリーズナブルな定食や湯豆腐定食などもあり、気軽に料理と川床風情を満喫できるのが魅力なほか、「涼み御膳」では鮎の塩焼きも堪能できます。