京都府船井郡京丹波町大迫上ノ山、京都市の北に位置する京丹波町の和知地区の東方、大迫集落にある曹洞宗寺院。
山号は太白山で、本尊は如意輪観世音菩薩。
江戸初期の1654年(承応3年)の夏、禅僧・天足香禅がこの地に祥雲寺を建立し、人々に曹洞宗の教えを説いたのがはじまり。
この点、天足香禅は若い頃は周防国(山口県)の出身で奈良・興福寺や比叡山、永平寺などで修行を重ね、やがて諸国を巡歴し荒廃した寺を修復したり、病苦とくに頭痛に悩む人々を救い、衆生済度に生涯を捧げたといいますが、老令を迎えて和知の里を訪れた和尚は、大迫の地を気に入り、ここを安住の地と定めて天足堂を建立、村人たちの悩みを聞いたり、頭の病気を独特の神通力で癒したりしたと伝えられています。
入寺から15年が経った1669年(寛文9年)8月24日、禅師は村人を集めて「自分の死後も病苦があれば告げよ、誓って救うべし」「また我が屍は自分が植え置いた桧の下に葬るべし」と遺言し、遺言どおり自らが植えた桧の下に葬られたと伝えられていて、以来頭痛やぼけ封じにご利益がある寺として丹波各地より多くの参拝者が訪れるようになり、現在も「天足さん」の名でぼけ封じ寺として多くの人に親しまれています。
そして開祖である天足香禅が生前に植えたとされる桧(ヒノキ)の双樹「安楽の霊木」「長寿の霊木」は樹齢約350年にして京丹波町最大のヒノキであり「霊木の檜」として京丹波町指定天然記念物となっています。
また毎年5月の最終日曜日には天足香禅の遺徳を偲んで長寿の霊木に願をかけ、老人ボケ予防五ヶ条の秘訣を授け、老後の安楽を守るように天足様に祈願する「天足祭(てんそくまつり)」が開催され、一日寺を開放して大正琴や人形浄瑠璃、小畑万歳の上演や天足もちなどの販売なども行われ、町内外から多くの人々が訪れて賑わいます。