賀茂川の河川敷東岸に800m続く見事な桜のトンネル
京都府立植物園の西、賀茂川東岸の北山大橋~北大路橋間に約800m続く。
名前は植物園内の半木神社に由来、神木が流れつき流木(ながれぎ)神社とされたが洪水で流されるのを嫌い半の字を当てるようになった。
八重の紅枝垂桜が続く散策路は佐野藤右衛門の造成で春は見事な桜のトンネルが広がる
半木の道のみどころ (Point in Check)
京都府立植物園の西側、賀茂川に架かる北山大橋(北山通)から北大路橋(北大路通)までの約800m、左岸東側の堤防上に整備された散策路で、桜の名所として知られています。
南の北大路橋側からの入口は植物園の正門のそば、また北の北山大橋側の入口には「半木の道」の石標が建てられており、この間の区間の道をこのように呼んでいます。
この点「半木(なからぎ)」の名前は、すぐ隣りの京都府立植物園内に今もある、天太玉命(あめのふとだまのみこと)を祀る上賀茂神社の末社「半木神社」とその鎮守の森で山城平野の植生をとどめる自然林としても貴重な「半木の森」に由来するものです。
半木神社はかつて「流木神社」であったともいわれ、神木が流れついたという由緒から「流木(ながれぎ)」であったものが、洪水のために繰り返し流されてしまったのを嫌い「流」の代わりに「半」の字をあてるようになった、あるいはこの地が上賀茂神社と下鴨神社の中間に位置することから「半木」と呼ばるようになったなど、由来については諸説あるといいます。府市民の憩いの場として整備された「鴨川河川敷公園」の遊歩道として、1973年(昭和48年)頃より京都鴨川ライオンズクラブや京都府により紅枝垂桜(ベニシダレサクラ)や躑躅(ツツジ)などが植栽されはじめ、その後も整備や保護が続けられた結果、現在は桜の名所としても知られるようになり、地元の人々に愛される散策路となりました。
そしてこの八重紅枝垂桜がまるで「桜のトンネル」のように咲き誇る景観は、世界でも有名な造園師で桜守の16代・佐野藤右衛門の手によるものです。
出町柳の葵橋付近から上賀茂神社のある御薗橋付近まで続く賀茂川の堤防沿いには、約2km、5000本の桜並木が続いていますが、その大半が染井吉野(ソメイヨシノ)である中で、半木の道の約800mの区間は八重紅枝垂桜の並木道が続いており、例年4月上旬頃に咲き始め、ソメイヨシノが散り終わった4月中旬頃に満開となります。
毎年見頃の4月上旬の土曜・日曜(桜の開花状況による)頃には「鴨川茶店(かもがわちゃみせ)」が開催され、河川敷公園の一部に茶店や屋台などが設けられて、紅枝垂れ桜を鑑賞しながら煎茶と花見だんごの接待(有料)が受けられるほか琴・尺八の演奏も楽しめ、また府内市町村の特産品の展示販売なども行われて大いに賑わいます。