京都府京都市下京区堀川通正面下る丸屋町、世界遺産・西本願寺の堀川通を挟んだ向かい正面に位置する歴史博物館。
仏教に関する貴重な歴史的文化財や学術資料を収集・整理・保存し、紹介する日本初の仏教総合博物館です。
仏教文化への理解を深めてもらうとともに、学術研究を推進し、その成果を社会に発信することを目的とし、龍谷大学の創立370周年事業の一環として親鸞の750回忌にあたる2011年(平成23年)4月5日に開館。
地下1階、地上3階建で、構造は鉄骨造、鉄筋コンクリート造および鉄骨鉄筋コンクリート造ですが、周辺の景観に配慮し歴史ある京都の街並みとの調和を図るため堀川通側の外観には約4000本のセラミックルーバーによる町家の簾(すだれ)をイメージした意匠が施され、京都らしい印象的なデザインで、日本建築学会作品選集、日本建築家協会優秀建築選、AACA賞奨励賞、日事連建築賞、SDA賞などを受賞しています。
平常展(常設展)は3階展示室の「日本の仏教」と2階展示室の「アジアの仏教」との2部構成で、仏教の誕生から広がり、社会へと浸透していくまでの歴史を多彩な文化財や映像などを使って分かり易く紹介しており、龍谷大学の研究成果をふまえた実物展示にこだわった内容となっています。
「日本の仏教」の3階展示室では龍谷大学が所蔵する国宝・重文を含む仏教関連作品を公開するほか、フルハイビジョンの4倍を超える超高精細の4Kの映像が楽しめるミュージアムシアターが設置されていて、他方「アジアの仏教」の2階展示室では「大谷探検隊」のコレクションを収蔵展示するほか、NHKの協力により中国の新疆ウイグル自治区トルファンにあるベゼクリク石窟寺院の第15号窟の回廊が原寸大で復元展示されており必見です。
そして平常展(常設展)の他にも、継続的な調査・研究の成果として年に数回、仏教文化やシルクロードについてなど、テーマを設けた特別展や企画展も開催しています。
建物については京都市の景観政策により高さが15mに抑える一方で、2・3階の展示室の高さを確保するため、1階の天井高を抑えるために1階の大半が地階からの2層吹き抜けの空間とされているのが特徴で、地下1階には広々としたエントランスホールと中庭が設けられ、1階は東西を貫くように通り抜けられる通路が設置され、西本願寺のある堀川通と、伝道院や門前町のある油小路通とを行き来できるよう開放性と利便性を高める構造となっています。
また1階にはミュージアムカフェ・ショップが併設されていて、ショップではオリジナルグッズも多数取り扱うほか、カフェでは特製の龍谷ブレンドコーヒーなども楽しめます。