京都市下京区黒門通木津屋橋上る徹宝町、京都水族館や梅小路公園にほど近い「大宮七条」交差点の南東の裏路地にある隠れ家的な老舗のとんかつ店。
「とんかつ一番」の歴史は1949年(昭和24年)11月18日に四条木屋町の南に創業された本店がはじまりで、その後本店から支店が増え、1960年(昭和35年)12月には現在地に当店が「七条店」としてオープンしました。
そして1992年(平成4年)に七条店が独立した後、現在は本店の方は姿を消し、京都で営業しているとんかつ一番は当店のみとなっており、現在大阪など全国にのれん分けや同名の店舗が数多くあるといいますが、当店はその大元になっているとんかつ一番の総本山とでもいうべきお店です。
創業当初はより高級なフレンチのメニューがあったそうですが、時代を経て街の洋食屋として、とんかつをメインとした今の形に落ち着いたといい、現在は3代目が店を継ぎ、開店当時の面影を今も残す昭和レトロな雰囲気の店舗にて昔ながらの味と看板を守り続けています。
とんかつに使用される豚肉は1~2か月のローテーションで全国各地から美味しいものを産地直送で取り寄せており、フレンチ料理のメインで出てくるような上質な肉が楽しめるといい、これを粗めと細めの2種類の生パン粉をブレンドした薄めの衣をまとわせ、濃厚な甘みと香りが特徴のこだわりの高級ラード油で揚げます。
そして創業時のレシピ通りに作られるという秘伝のデミグラスソースは、素材はいたってシンプルに豚スジ肉と牛や鶏の動物性の旨味と野菜は玉ねぎと臭み消しのパセリだけを使用、じっくり時間をかけて丁寧に炒めて粉気を飛ばすことで、シンプルな中にも深みとコクが生まれるといい、ラードで揚げたとんかつとの相性を考えた香り高い仕上がりとなっています。
京都の裏路地に隠れ家的にひっそりと佇み、昭和のレトロな雰囲気と歴史を感じさせる店内で、上質の肉を使ったとんかつがリーズナブルに味わえると人気を集め、ミシュランガイド京都の2021年版のおいては価格以上の満足感が得られる料理を提供し適度に快適なレストランを選定する「ビブグルマン」にも選ばれました。
一番人気はサクサクの衣が絶品でデミグラスソースとの相性も抜群な「ロースとんかつ」で、その他にも生クリームをたっぷり使ったまろやかな自家製の「クリームコロッケ」やポークチャップなど、手作りにこだわった洋食を楽しむことができます。
その後2020年6月には2号店として大阪市西区の阿波座に「とんかつ一番2deux」もオープンしています。