京都府舞鶴市北吸にある、歴史的建造物である旧海軍の建造した「赤れんが倉庫群」を中心施設とする公園。
北吸赤れんが倉庫群とも。
舞鶴市には1901年(明治34年)に「舞鶴鎮守府」が置かれ、旧日本海軍の拠点となった港町で、開庁に伴い、明治期から大正期にかけて赤れんが造りの建造物が数多く建設され、弾薬庫や倉庫として利用されていました。
中でも東舞鶴・北吸地区の倉庫群は12棟に及び、明治期の1901年(明治34年)~03年(明治36年)にかけて9棟、大正期の1918年(大正6年)~21年(大正9年)にかけて3棟が建てられて現存しています。
これらの赤れんが倉庫群のうち、8棟が日本のれんが建造物の中でも貴重な近代建築の建造物として近代化産業遺産、および2008年(平成20年)6月には「舞鶴旧鎮守府倉庫施設」として国の重要文化財に指定されています。
赤レンガ倉庫は全国にいくつか現存していますが、このような数の建物が手付かずに残っているのは大変貴重であり、映画やテレビドラマのロケ地としても頻繁に使用されています。
そして近年、舞鶴市では貴重な歴史的遺産を活用し、市民と行政が協働した「赤れんがを活かしたまちづくり」を推進。
2012年(平成24年)には「舞鶴赤れんがパーク」としてグランドオープンし、カフェや展示施設などとして保存・活用されています。
一般公開されているのは以下の1~5号棟で、その時代にタイムスリップかのようなどこか懐かしいノスタルジックな雰囲気を体験できるほか、芸術や文化の交流・発信の場として、さまざまなイベントや展示、ものづくり体験などで利用されています。
・1号棟「赤れんが博物館」
・2号棟「舞鶴市政記念館」
・3号棟「まいづる智恵蔵」
・4号棟「赤れんが工房」
・5号棟「赤れんがイベントホール」
2、3号棟には展示施設が入り、4、5号棟では不定期でライブイベントやアートフェスタなども開催。
また2号棟の1階には喫茶コーナーもあり、おしゃれなカフェでJazzをBGMに飲食を楽しむことができます。
散歩コースなども整備されており、舞鶴の歴史を学んだけでなく、ゆっくり散策もできる憩いの場にもなっているほか、夜には倉庫群のライトアップ、更にプロジェクションマピングや和太鼓公演など、多彩なイベントが開催されています。
更に公園横の桟橋からは「海軍ゆかりの港めぐり遊覧船」が運航するほか、「海上自衛隊桟橋」にも隣接しており、タイミングが合えば桟橋に停泊する海上自衛隊の自衛艦の姿を見ることもできます。
2015年(平成28年)7月には、高速道路網として「京都縦貫自動車道」が全線開通し、京都府北部への交通アクセスが改善。
それに伴い週末になると京阪神地区はもとより、北陸や中京圏からも多くの観光客が訪れるようになっています。
そしてこれに合わせ7月18日からは京都府北部の5市2町による「海の京都博」が開催され、舞鶴市が開催した「まいづるまち博」の起点にもなりました。
2013年(平成25年)頃から市と市民が協力して観光開発に努め、週末ごとにイベントも開催されて観光客で賑わいを見せている注目のエリアです。