戦国期の山城跡に創建、ぼたん寺の愛称で親しまれる寺
福知山東部石原の見晴らしの良い高台にある曹洞宗寺院。
境内は戦国時代に山城を築いた地元の土豪・大槻氏の石原城跡地で、土塁や空堀も残され戦国期の城の形態を今に伝える。城址は市指定史跡。
ぼたん寺の愛称で親しまれ5月頃に30種約250株の牡丹が色とりどりの大輪の花を咲かせる。福知山花の十景
洞玄寺(ぼたん寺)のみどころ (Point in Check)
京都府福知山市石原(いさ)、福知山東部のJR石原駅から南西に約300mの見晴らしの良い高台にある曹洞宗寺院。
戦国時代の天文年間(1532~1554年)に安芸から大槻安芸守政治(光頼とも)が土着して館と山城「石原城」を築き、後に隠居して法名「洞玄」を名乗り草庵を結んだのがはじまり。
政治は1555年(弘治元年)に没し、その後長らく廃墟となっていましたが、1587年(天正15年)、石原城の城跡に政治の弟が政治の菩提を弔うため、石原の僧・華翁(かおう)を開山として創建、寺号は政治の法名「洞玄」にちなんだものといいます。
2003年(平成15年)と2004年(平成16年)に行われた調査によると、寺に残る城跡は部分的に破壊されてはいるものの、現在も境内の南側を中心に土塁や空堀がよく残されており、戦国期の城の形態を今に伝える重要な遺構として2007年(平成19年)7月に城址(土塁・空堀)が福知山市の文化財(史跡)に指定されています。
また京都でも有数の牡丹(ボタン)の名所として有名で、「ぼたん寺」の愛称で親しまれ、福知山観光協会の選定による「福知山花の十景」の一つにも選ばれています。
1978年(昭和53年)に檀家が両親の供養にと牡丹50株を寄進し植えたのがはじまりで、その後30種約250株となり、大雪などの影響で枝が折れたりし現在は150株ほどだといいますが、毎年5月頃には赤やピンク、白など色とりどりの牡丹が大輪の花を咲かせ、参拝者の目を楽しませています。