京都府船井郡京丹波町豊田九手、京都市の北に位置する京丹波町丹波地区由良川支流高屋川lの上流域にある旧豊田村、国道9号線(山陰道)沿いに鎮座する神社で、豊田・上豊田の氏神。
神社の由緒によれば平安中期、豊田地頭・藤原定氏が京都嵐山の松尾大社より大山咋命(おおやまくいのみこと)を勧請し、1029年(長元2年)9月21日に社殿を造営したのがはじまり。
この点、祭神の大山咋命は丹波開拓の始祖と伝えられていて、日照りや疫病の守護神として町民の信仰を集めています。
現在の「本殿」は室町後期の1498年(明応7年)3月3日に改修・再建されたもので、三間社流造、桧皮葺の屋根の勾配の優美な造りや当時の様式そのままだという蟇股(かえるまた)や勾欄(こうらん)などが室町様式の建築の面影を今に伝えており、戦前の制度の中で1921年(大正10年)4月30日に国宝に指定された後、戦後の1950年(昭和25年)8月29日に国の重要文化財に指定されています。
また境内にはモミジの大木があり秋は隠れた紅葉の名所であるほか、周囲の樹林には古木も数多く密生しており、とりわけアラカシの巨木は樹高15m、幹周4mの大きさを誇っていますが、アラカシは通常は古木になると幹が空洞化して枯れやすい性質を持っているため、これだけ太く生育が優良なものは大変貴重とされていて、2010年(平成22年)2月5日に「京丹波町指定天然記念物」、2004年(平成16年)3月5日には「京都自然200選」に選定されています。