京都市右京区西院溝崎町、西大路五条の南西に本社を置く、半導体及び電子部品の開発・製造・販売を主力事業として行う総合電子部品メーカー。
1954年(昭和29年)、創業者である佐藤研一郎(さとうけんいちろう 1931- )が立命館大学の在学時に考案した「並行リード型固定抵抗器」という画期的な特許・実用新案の登録を皮切りに「東洋電具製作所」として創業。
炭素皮膜固定抵抗器の開発・販売を開始し、1958年(昭和33年)9月17日に京都にて「株式会社東洋電具製作所」として会社設立されました。
この点「抵抗器」とは電気を流れにくくする電子部品のことで、電流(流れる電気)の量を制限したり調整したりすることで、電子回路を適正に動作させる重要な役割を持つものですが、この頃一般的であったのは鉛筆の太さほどのもので、これを鉛筆の芯くらいの細さにまで小型化に成功したといいます。
そして現在の社名「ROHM(ローム)」は、元々はこの頃に浸透し始めた抵抗器(Resistor)の頭文字「R」に抵抗値の単位を表す「Ω(ohm)」を組み合せた「R.ohm(アール・オーム)」というブランド名でした。
当初は小さな電子部品メーカーとしてスタートしましたが、「いかなる逆境においても積極的に活路を見出す」ベンチャー精神と企業目的の冒頭でも謳われている「品質第一」のモノづくりを徹底することで成長を続け、抵抗器のトップメーカーとなった後は、1967年(昭和42年)にトランジスタやダイオードの分野に進出。
更に1969年(昭和44年)には新たなニーズ開拓を使命として、ICなどの半導体部門の研究・開発をスタートさせ、2年後の1971年(昭和46年)には日系企業として初めてアメリカ・シリコンバレーにICの開発拠点も開設しています。
そして着々と半導体のラインアップを増やすことで総合電子部品メーカーとなり、1981年(昭和56年)には社名を現在の「ROHM(ローム)株式会社」へと変更しています。
ロームの製品はそれ単体で商品として目にすることはないものが多いものの、現在も最先端機器から人々の生活に関わる身近な製品まで、様々な所で活躍しています。
また継続的に社会貢献としての文化支援活動を行っており、「京都・花灯路」では、社会貢献の一環として2012年3月の東山花灯路よりLEDを提供しているほか、「京都学生祭典」にも特別協賛しています。
2011年(平成23年)2月には50年にわたって京都の文化の殿堂として京都市民に親しまれてきた京都市左京区の「京都会館」のネーミングライツ(命名権)を契約期間50年、総額52億5000万円の契約内容で取得し、リニューアル工事を経た2016年(平成28年)より「ロームシアター京都」の名称の使用が開始され、今ではすっかりおなじみの名前となっています。
また毎年年末恒例のクリスマスイルミネーションでも知られていて、本社のある五条通と佐井通沿いのメタセコイア並木などの街路樹に電球や当社製品のLEDなども使用したイルミネーションが施され、人気のスポットになっています。