京都市上京区下立売通西大路東入行衛町、西大路丸太町のJR円町駅に近い紙屋川のほとりにある臨済宗妙心寺派の禅宗寺院。
法輪寺というと京都では嵐山の虚空蔵法輪寺が有名ですが、こちらは「だるま寺」の通称で知られています。本尊は釈迦如来。
江戸中期、享保年間の1727年(享保22年)に、大愚宗築を開山とし、開基である室町の両替商「伊勢屋」の荒木光品宗禎に帰依を受けた高僧・万海(萬海)が創立。
この点、1718年(享保13年)より10年がかり、宗禎の寄進で七堂伽藍が建立された境内には様々な建物があります。
まず境内の「達磨堂(だるまどう)」には三国随一といわれる起き上がりの達磨をはじめ、諸願成就のため全国から奉納された約8,000体もの様々な種類の達磨がずらりと並べられ、天井にもだるまの絵が飾られるなど、境内はまさにダルマづくしで、このため「達磨寺(だるま寺)」の通称で呼ばれて人々から親しまれています。
他にも「本堂(方丈)」には桃山時代作で横たわっている姿が珍しい等身大の金色の仏像「仏涅槃木像(金箔大寝釈迦木像)」が安置されているほか、コンクリート造の大法輪塔「衆聖堂」には1階に数多くのだるまを展示するほか、2階には日本の映画創業以来の映画関係者の400余霊を祀る「貴寧磨(きねま)寺(キネマ殿)」や、太平洋戦争の戦没者、とりわけ南太平洋方面で戦没した英霊たちの位牌を祀る「英霊殿」があることで知られており、この他にも島津源蔵夫妻の念持仏をまつる「学神堂」などがあります。
また本堂(方丈)には2つの庭、東側には禅の悟り・修行の段階を牛に例えて示す「十牛の庭(無尽庭)」、また南側には白砂の上に苔で心字を描き出したユニークな庭があることでも知られています。
行事としては2月初旬の「だるま節分会」が有名で、毎年多くの参詣者で賑わうほか、11月1日には「達磨忌」が営まれ、寺宝展(有料)もされています。
この他にも夏は「芙蓉」の名所としても知られ、門をくぐってからの参道にピンクと白の芙蓉が綺麗に咲き誇るほか、本堂(方丈)の前庭は秋には紅葉が美しく、縁側に座って鮮やかな紅葉を鑑賞することもできます。