京都市中京区中筋町、京都有数の繁華街の一つである新京極商店街内の蛸薬師通との交差点を上がった所にある浄土宗西山深草派の寺院。
弘安年間(1278-88)に後宇多天皇から「寅薬師」と称した薬師如来の尊像を下賜された傳慶法印が、これを安置するため御倉堂(薬師堂)を建立したのがはじまり。
「寅薬師」の名は帝の勅命を受けた弘法大師空海が一刀三礼し刻み、寅の日の寅の刻に完成した事から、その名がついたとされ、元々は宮中に持仏として安置され、歴代の天皇の信仰を集めていたといわれています。
この点、西光寺の本尊は阿弥陀如来ですが、寅薬師は本尊の右側に安置され、開運厄除、無病息災などの諸願成就に霊験あらたかとして民衆より広く信仰を集め、京都十二薬師霊場第11番札所、薬師十二所参り第3番、京都名薬師十一薬師の一つに数えられるほか、寅年の守護仏としても親しまれています。
また本堂の脇壇には安産守護・子授けにご利益のある腹帯地蔵尊像も安置。
この像はかつて西光寺の南隣にあった清帯寺の本尊で、行基の作と伝わり、火災により廃寺となった後は西光寺に移されたもので、京都名地蔵二十一地蔵のひとつであり、洛陽四十八願所地蔵大菩薩第34番にもなっています。