京都府相楽郡南山城村北大河原北垣内、木津川の上流、京都府最南端に位置し、府内唯一の村である南山城村にあるJR大河原駅のやや東にある京都市東山区にある智積院を総本山とする真言宗智山派の寺院。
山号は無量山で、本尊は薬師如来。
江戸中期までは京都府木津川市加茂町の天台宗真盛派・常念寺の末寺で、現在地よりもやや南にありましたが、その後1885年(明治18年)に春光寺の末寺で明治の神仏分離令に伴い廃絶する以前は現在春光寺の隣に鎮座している国津神社の宮寺でもあった黄金寺の跡地に移転し現在に至っているといいます。
そしてそれ以前については1953年(昭和28年)の南山城大水害で古記録を失ったため創建は不明とのことですが、水害を免れた本堂は元々は黄金寺の本堂、別名薬師堂であったもので、1799年(寛政11年)の建築と伝わり、2001年(平成13年)には京都府登録有形文化財に登録されています。
また本堂の豪華な厨子に安置されている本尊の木造薬師如来立像は平安初期の作と伝わるカヤ一木造りの作品で、国の重要文化財に指定。文化圏が奈良県に属していた南山城村では現在も奈良文化の影響を色濃く残した寺院が残っていますが、春光寺もその一つであり、奈良様風の代表格である元興寺の木造薬師如来立像の系統を受け継いでいる仏像です。