伏見稲荷大社の裏参道を産場稲荷社から三ツ辻へと向かう途中にある神社。
稲荷山の山内にありますが、伏見稲荷大社とは別の神社です。
荒木神社は、古よりの言い伝えに依れば、711年(和同4年)の初午の日に稲荷山に稲荷大神が鎮座した際、稲荷大神の荒魂を稲荷山の茨谷に祀ったのがはじまり。
「荒木」の名称は荒魂の魂を木と呼び、また稲荷山に木が繁っている所から「木」と呼ぶようになったものだという。
今日のような形で祭祀されたのは明治初期からで、京都御所より移築した本殿・拝殿に荒木大神・白砂大神・荒玉大神の三柱の神々を主神として祀り、信仰の教化育成と共に稲荷山官有地の管理も任されたといい、また当時は公家の出入りもあったといい、稲荷山に来られた際に装束を着替えるのに使用されたという家具や写生された絵などが今も数点残されているといいます。
現在の社殿は1953年(昭和28年)に建造されたもので、1972年(昭和47年)にも境内整備に着手し、改修工事や御塚の整備が行われています。
近年は境内にある縁結びの神「口入稲荷大神」が恋愛のみならず求人や就職など色々な人との良縁を結んでくださる神様として人気を集めています。
この点「口入(くちいれ)」とは両者の間に入って縁談などの世話をする仲人のようなもので、神社で授与を行っている「口入人形」は夫婦(めおと)ならびに伴(とも)と呼ばれる仲人の3体で1組の人形となっています。
神前にて祈願した後、各家に持ち帰って願い事が成就するまで祀り、願い事が叶うと口入稲荷大神に返納する習わしとなっており、口入稲荷の社には念願の叶った人々が返納した数多くの口入人形が所狭しと並べられており、そのご神徳の強さを伺わせます。
その他にも真摯に祈りを捧げることで煩悩を断ち切り悪行を滅することができる「出世身守不動明王」や、病気平癒の「薬一大神」、腰痛の神様「足利稲荷大明神」などが祀られているほか、授与品としては神社オリジナルの「キツネみくじ」も人気です。