京都市中京区西洞院通御池上ル押西洞院町、世界遺産・二条城の東側、御池通と西洞院通の交差点より西洞院通を北へ少し上がった所にある黄金色に輝く鳥居が印象的な神社。
主祭神はとして金山毘古神(かねやまひこのかみ(金山彦命)を祀るほか、伊邪那岐(いざなきのみこと)、伊邪那美(いざなみのみこと)、天照大神(あまてらすおおみかみ)、月読神(つくよみのかみ)が配祀されています。
この点、金山毘古神は日本神話の「国産み」の話に登場する伊邪那岐(いざなぎ)と伊邪那美(いざなみ)の間に生まれた神様で、火の神・迦具土神(がくつちのかみ)を生んで大火傷を負い、病床に就くことになった伊邪那美が黄泉の国へ旅立つ直前に産み落とした神様の1柱として知られています。
元々は鉱山、鉱物関連の神で、古くより生活の中で使われる刀剣などの武具や鋤鍬などの農耕器具の職人、近年では農産業の農機具や工場大型機械を製造する企業など、広く金属類に関わる職業に従事する人々の信仰を集めており、また新改築や転居、方位などの厄除けや旅行安全の守護神でもある神様です。
近年では通貨として用いられる金・銀・銅やその他の合金も護る事から、転じて金運上昇にご利益があるとして、資産運用の神として証券取引や銀行などの金融関係のビジネスマン、競馬・宝くじの当選を祈願する人々や宝石商、あるいは不動産関連業の参拝者も多いといいます。
創建の経緯は不明なものの、当初は民家の中にひっそりと祀られていたといい、その後、幕末の新宗教の一つ金光教の信者だった田中庄吉が1883年(明治16年)10月6日に社殿を建立して「御金神社」と称し、以来「金神様(こんじんさま)」の愛称で地域の人々に親しまれています。
近年は金運上昇のパワースポットとして注目を集め、初詣には行列ができるほどの人気となっています。
境内は黄金色に輝く鳥居の他にも「金」の神紋の入った軒丸瓦や鈴緒、授与品など、至る所で金運上昇を思わせる金色の意匠が光輝いており、授与品としては品切れになっていることも多いという福財布やおたから小判などが人気のほか、おみくじには「大大吉」もあるといいます。
また金山毘古神と共に祀られている月読神が夜の神様である由緒から、24時間参拝が可能な神社としても知られていて、ライトアップされた境内にて日中と同じように本殿を参拝することができることでも知られています。
この他にも境内西側、本殿の裏にそびえるように立つご神木のイチョウの大木は樹齢200年以上ともいい、これにちなんだイチョウの形をした絵馬も作られていて、境内の絵馬掛けにはこの銀杏絵馬が所狭しと掛けられているのを目にすることができます。
そしてこのイチョウは枝ぶりがニ対の龍の形に似ていることから夫婦龍などとも呼ばれ、葉が落ちた冬の時期にその貴重な姿を見ることができるといいます。
行事としては2月2日の夜に開催される「節分祭」のほか、毎年9月の最終土日には「例大祭」が行われ、子ども神輿の巡行などが氏子の城巽(じょうそん)学区の住民の奉仕により執り行われます。