京都市上京区堀川通寺ノ内上ル扇町にある、「学問の神様」として知られる菅原道真を祭神として祀る神社。
一帯は豊臣秀吉によって寺院が集められた場所で、近くには妙蓮寺、妙顕寺、宝鏡寺といった日蓮宗を中心とした寺院が数多く立ち並んでいる地域です。
水火天満宮は堀川通沿いの「天神公園」と名付けられた子どもが遊ぶ広い公園の北隣にある小さな神社で、名前のとおり火難・水難にご利益があることで知られています。
社伝によると、平安中期の923(延長元)年6月25日、京の水害や火災を鎮めるため(道真が亡き後都に天災が続いていた)、時平の讒言を入れて道真を左遷してしまった醍醐天皇が、道真の霊を鎮めるため、勅命で菅原道真の師・延暦寺の尊意により建立しました。
当地は尊意の屋敷のあった場所と伝わり、堀川通が拡張されるまで堀川通の西側にありましたが、1952年(昭和27年)に東側の現在地に移されました。この点、移転前の地は「上天神町」の地名がついており、今に名残を留めています。
「洛陽天満宮二十五社順拝」の第10番で、「京洛八社 集印めぐり」の一社にも数えられていますが、一番の見どころは何といっても桜で、小さな神社ではあるものの隠れた桜の名所として知られています。
見頃は3月下旬~4月上旬にかけてて、3本の紅枝垂桜が境内を覆うように咲き誇り、夜はライトアップもされて妖艶な美しさ(日没~22時まで)を見せるほか、毎年4月の第1日曜日には「桜花祭」も開催されて賑わいます。
この他にも就職祈願のご利益のある「六玉稲荷」や出世祈願・就職祈願にご利益のある「出世石」、烏帽子の形をした石で、道真公の霊がこの石の上に立たれ、都を水難から守られたとの言い伝えの残る「登天石(とうてんせき)」、眼病に効くといわれる井戸「金龍水(こんりゅうすい)」なども見どころです。