中京区錦小路通新京極、四条通より新京極通を北へ数分の所にある、菅原道真を祭神とする神社。「菅公聖蹟二十五拝」第2番および「洛陽天満宮二十五社順拝」の第25番。
京の台所として知られる「錦市場」の東端に位置し、また修学旅行生などにも人気の土産物屋なども多い新京極・寺町京極の3つの商店街との接点にあり、まさしく京都市の中心地に鎮座。
学問の神様・菅原道真を祀り、学業成就に加え厄除け、商売繁盛のご利益もあり、「錦の天神さん」の通称で庶民からも厚く信仰されています。
平安中期の長保年間(999~1004)、菅原道真の生家「菅原院」に創建(長保5年(1003年)とも)。
「菅原院」は道真の没後に嵯峨天皇の皇子・源融公の旧邸・六条河原院に移され「歓喜寺」という寺院となり、その歓喜寺の鎮守社として天満大自在天神を祀ったのがはじまりとされています(歓喜寺は菅公聖跡二十五拝の第2)。
その約300年後の1299年(正安元年)に河原院跡は京都八幡の善導寺に寄進され塩竈宮を鎮守とする「歓喜光寺」と改名。
その際に後伏見天皇より直筆文章の神号を授与され「天満宮」に改められました。
桃山時代の天正年間(1573~92)に、豊臣秀吉の都市計画に伴い現在の錦小路東端(元は時宗四条道場としても有名な「金蓮寺」の敷地だった)に移転し、これが社名の由来となっています。
明治期に入ると1872年(明治5年)の「神仏分離令」によって「錦天満宮」が独立(「歓喜光寺」は東山五条、後に山科大宅へ移転している)。
同年に整備された「新京極通」の開通の際にやや社地を縮小し、現在に至っています。
境内にある「錦の水」は京の名水として有名なほか、願い事を中に入れて梅の木の枝に吊るす学業成就の「大願梅」、珍しい「からくりみくじ」や「紙芝居ロボット」、更にはビルの中に鳥居の一部が食い込んでいるのが印象的でテレビやマスコミなどでもよく取り上げられる「大鳥居」があることでも知られています。