京都市中京区烏丸通御池下る虎屋町、京都市営地下鉄の烏丸線と東西線の交差する「烏丸御池駅」のある「烏丸御池」の交差点南の烏丸通沿い西側にある、NHK(日本放送協会)の京都放送局で、総合テレビとFM放送にて京都府域向けの放送を行っています。
1925年(大正14年)7月、四条河原町の地にラジオの受信方法に関する相談を受け付ける「大阪放送局京都出張所」として開設されたのがはじまりで、その後1928年(昭和3年)11月に昭和天皇の即位の礼の中継を行うために京都駅前、現在の京都ヨドバシにあった百貨店「物産館」内に「大阪放送局京都演奏所」というラジオスタジオが開設され、教養講座やラジオドラマなどのラジオ番組の制作が開始されます。
そして1932年(昭和7年)6月24日、二条城の北西角にある二条公園の北側、上京区智恵光院丸太町下ル主税町にて出張所から昇格し、出張所と演奏所を統合する形で「京都放送局」が開局され、ラジオ第1放送が開始されました。
1965年(昭和40年)3月に京都放送会館が改築竣工されるとともにテレビ番組の制作が開始され、1972年(昭和47年)3月にはアナログ総合テレビ放送、2005年(平成17年)4月1日に地上デジタル放送が開始され、アナログ放送は2011年(平成23年)7月24日で終了しています。
その後、二条城北の旧放送会館の老朽化を受けて移転が検討されることとなり、烏丸御池の交差点南側の土地を取得した上で2014年(平成26年)8月に新放送会館が完成、2015年(平成27年)2月21日に移転され現在に至っています。
平日月曜から金曜日の18:30~19:00にかけて放送されている「ニュース630 京いちにち」や20時45分からの「京都ニュース845」といった報道番組を放送しているほか、京都の歴史と伝統や文化を伝える番組を数多く制作・放映しており、また京都発の地域ドラマの制作や、Jリーグの京都サンガの主催試合の放送なども手がけています。
新しい放送会館は地上5階・地下1階建で、延べ床面積は6755平方メートルの鉄骨・鉄筋コンクリート造の建物で、周辺の景観との調和を図るため京都らしい和風モダンな作りとなっているのが特徴的で、2014年の第2回京(みやこ)環境配慮建築物の最優秀賞、2018年の京都景観賞の建築部門(市長賞)も受賞。
5階建ての建物うち1階は「NHK京都 8Kプラザ」と呼ばれる公開スペースとなっており、中央には220インチの超大型スーパーハイビジョンテレビが置かれ、「8Kスーパーハイビジョン」の上映や公開番組の収録に使用されるほか、イベントも随時開催され、スポーツ中継のパブリックビューイングなども行われて大いに盛り上がります。
そのエントランスホールの傍らにはNHKのマスコットキャラクターであるどーもくんの高さ3.9mあるという世界一大きい「巨大どーもくん」のオブジェが置かれていて記念撮影ができるようになっており、季節に合わせた衣装を着用し来場者を出迎えてくれます。
そして階段を上がった先の2階は吹き抜けの構造となっていて、エントランスホールを上から見下ろせるほか、通路にあるギャラリースペースや番組公開ライブラリーなどを見学することができ、3階の大規模スタジオでは公開番組を実施することもあるといいます。
このNHK京都放送局のマスコットキャラクターは「ねこまる」という名前の黒ネコで、平日夕方の「ニュース630 京いちにち」に登場するほか、きょうのええもん発信部長として公式サイトの「ねこまるダイアリー」で情報の発信なども行っています。
その他にも最寄駅である地下鉄「烏丸御池駅」では、階段や通路、壁面に貼られたポスターなどのあちらこちらで「どーもくん」や「ねこまる」の姿を見ることができるので、合わせてチェックするのもおすすめです。