「辻為商店」は京都府京都市下京区朱雀分木町、京都市中央市場内に店舗を構える海産物の仲卸業者。
幕末の1864年(元治元年)の創業。当時、京の町に約7000人の人員を抱える「大忠」という綿布問屋があり、その初代党首が一族を「いろはにほへと」と組み分けし、「と組」として食料を担当したのが辻為商店だったといいます。
そして「西納家(にしなや)」とは現在の四条大宮付近、辻為商店が本社を置く下京区黒門通一帯にあった江戸期開設の塩干魚を取り扱う市場の名称で、海産物加工を扱う商店が連なる活気に沸く場所であったといいますが、1927年(昭和2年)12月に平安京の朱雀大路跡に我が国で初めて「京都市中央卸売市場」が開設されると、多くの店舗が西納家の市場から京都中央市場に移り、400年に渡る伝統が引き継がれていて、現在「西納家」は有限会社京やまだいが販売する商品を称する登録商標となっています。
辻為商店は京都市中央卸売市場が開設されると、早くから店舗を開設、創業当初より現在に至るまで変わらぬ姿勢で、海産物の仕入れを、目利きの職人が一貫して行っていて、ちりめん山椒や西京漬けなどを購入することができます。
平成天皇から皇位継承が行われた2019年(令和元年)には、11月14・15日に開催された大嘗祭の「大饗の儀」において、京都より供納される干しアユの加工を行うという名誉ある役目を担うことになり、ニュースでも取り上げられました。