京都府京都市下京区大宮通五条上ル上五条町、大宮通と五条通の交差する「五条大宮」交差点を北へ上がった所に本社・本店を置く京漬物を製造・販売する食品メーカー。
1917年(大正6年)6月1日、初代・川勝延一郎が東山区古門前東大路西入るに「各国漬物製造問屋」を構えたのがはじまりで、千枚漬をはじめ祇園漬、祇園の友、都漬などの古都京都の趣の溢れる漬物で好評を博します。
1933年(昭和8年)に合名会社として組織化した後、店舗が手狭になったことから1936年(昭和11年)7月に本社を東山区古門前上ルから現在の大宮五条上ルに移転。
この本店の建物は現在築100年以上の昔ながらの風情ある佇いを残す京町家となっていて、1990年(平成2年)10月から翌年3月まで放映された畠田理恵と山本陽子をダブル・ヒロインとするNHK朝の連続テレビ小説「京ふたり」に登場する漬物屋「中秀」のモデル店舗にもなっています。
1958年(昭和33年)5月には有限会社に組織変更となり、1973年(昭和48年)6月に経営感覚の進展と能率上の見地から「株式会社川勝總本家」と組織を改め、その後は京都をはじめ、東京や大阪などの全国各地の百貨店などの売り場やイベント会場などにも積極的に出店を行っているほか、2004年(平成16年)には清水寺参道店、高台寺二年坂店、翌2005年(平成17年)には嵐山三十六峰かづら野店、2007年(平成19年)には京都大原店、2016年(平成28年)には嵐山店と、京都有数の観光地にも出店し漬物の販売を行っています。
日本の食の伝統文化・漬物の原点の味を伝えて、次の世界へ受け継いでいくことが使命と考え、日々漬物づくりに励んでおり、「美味しい」と「体に良い」、その両方を満たすために合成保存料、合成着色料を一切使わない漬物づくりに徹し、また大量生産は行わず、季節の恵みがもたらす旬の素材を大切にし、季節やその日の気温、野菜の水気に応じて塩加減を微調整しながら、職人がひと樽ひと樽丹精を込めて漬け込んでいます。
中でも京野菜の代表「聖護院かぶら」を使用した川勝總本家の千枚漬は、きめ細やかな柔らかさの中にもさくっとした歯切れが特徴で、上質の昆布と門外不出の調味液で独自のまったりとした深い味わいに仕上がっており、多くの消費者の支持を得ています。
その他にも1995年(平成7年)からは長年培った知識を公開し、家庭でできる糠漬の作り方を教える「漬物教室」を本店にて開催し、現在では修学旅行のプログラムの一つになっているほか、学生向けの職場体験やインターンシップの受け入れも積極的に行うなど漬物普及のための社会的な活動にも積極的に取り組んでおり、2009年(平成21年)には京都市市民憲章推進団体として区長表彰、市長表彰を受けたほか、2018年(平成30年)には3代目社長・川勝康行が日本の勲章の一つである「旭日双光章(きょくじつそうこうしょう)」を受章しています。