京都府八幡市上奈良御園、八幡市の東、府道22号線沿いの上奈良地区の東側に鎮座する神社で、上奈良地区の産土神。
御祭神は、天児屋根命(あめのこやねのみこと)、武甕槌命(たけみかづちのみこと)、経津主命(ふつぬしのみこと)。
創立については不明だが1615年(元和元年)の「御薗神社神縁紀」によると、奈良時代の787年(延暦6年)に第50代・桓武天皇(かんむてんのう 737-806)が河内国交野に行幸の際、この里に立ち寄り鷹狩りをしていると神託があり、同年冬10月、大納言・藤原継縄(ふじわらのつぐただ 727-96)に命じて社を建立させ、奈良・春日大社から三神を移座して建立されたのがはじまり。
その後、南北朝時代1352年(正平7年/文和元年)の「八幡合戦(八幡の戦い)」や1468年(応仁2年)3月の「応仁の乱」の兵火によって炎上した後、1494年(明応3年)9月に新殿を造営し再建されたと伝えられています。
現在の本殿は擬宝珠の銘より江戸中期の1701年(元禄14年)の再建と考えられ、檜皮葺の一間社流造、覆屋に覆われているものの、美しい極彩色で、山城地域の建築様式の貴重な遺構として2007年(平成19年)に京都府指定文化財(建造物)に指定されています。
また行事としては毎年10月第2日曜日に五穀豊穣を祈願して開催される神社の例祭「秋祭り」にて、ずいき(里芋の茎)で屋根を葺くほか、その年に採れた30種類以上の野菜で飾り付けられた「ずいき神輿」が練り歩くことで知られています。
神社のある上奈良地区は隣接する下奈良と合わせ「奈良の御園」と呼ばれ、瓜や茄子、大根などの朝廷に献上する野菜を栽培していた場所で、その名を社名にとどめていますが、ずいき神輿もその名残りをとどめる行事で、2007年(平成19年)3月16日に「御園神社のずいき御輿・天狗・獅子」として八幡市で唯一の京都府の無形民俗文化財にも指定されていて、ずいきみこし保存会の手により大切に受け継がれています。