「株式会社ビックカメラ(BIC CAMERA INC.)」は、群馬県高崎市で創業し、東京都豊島区の池袋駅東口に本店を構える家電量販店で、子会社としてソフマップ、コジマなどを傘下に置き、ヤマダデンキに次ぐ業界第2位を誇る日本を代表する家電量販店の一つ。
1968年(昭和43年)3月、創業者の新井隆司(隆二)(あらいりゅうじ 1946- )が群馬県高崎市中大類町に写真フィルムの現像所「株式会社高崎DPセンター」を設立したのがはじまり。
その後1972年(昭和47年)に株式会社高崎DPセンターのカメラ販売部門を分離し、「株式会社ビックカラー」を設立しこれが現在の会社の母体となります。
1978年(昭和53年)、高崎東口店を開設し株式会社ビックカラーから「株式会社ビックカメラ(高崎)」に商号変更すると、5月には東京支店(後の池袋北口店)を開設し東京池袋に進出を果たします。
1980年(昭和55年)11月には、家電量販店事業を本格化するため「株式会社ビックカメラ」を設立、東京支店を池袋店(後の池袋北口店)とし、東京都心部である池袋駅周辺に出店を集中。
1982年(昭和57年)には池袋東口店(現・ビックカメラアウトレット池袋東口店)、1992年(平成4年)6月に池袋東口駅前店、そして同年9月には池袋本店を開店しました。
これと同時期、新宿にはヨドバシカメラが進出するなど、首都圏のターミナル駅を中心として家電量販店の競争が激化しており、「都心部・駅前・大型店」の出店戦略を元に、ヨドバシカメラという競合が存在する新宿を避ける形で、その後は渋谷店(現 渋谷ハチ公口店)や横浜西口店などを開店。
その後バブル崩壊による都心部の土地価格の下落もあって2001年(平成13年)には全国進出を開始。
5月には関西随一の繁華街である難波に進出し「なんば店」を開店したのを皮切りに同年7月には「札幌店」、2003年(平成15年)11月には名古屋へも進出して「名古屋駅西店」が開店されるなど、都心・駅前・大型店の出店が強化が図られました。
更に2005年(平成17年)1月には本社所在地を東京都豊島区西池袋から東京都豊島区高田に移転し、翌2006年(平成18年)2月にはソパソコン製品の販売で知られる「ソフマップ」を子会社化し、2010年(平成22年)1月には完全子会社化したほか、2012年(平成24年)には北関東のを中心に郊外型店舗に強い家電量販店「コジマ」の株式の過半数を取得することでその傘下に収め、事業規模が拡大され、現在では日本を代表する家電量販店の一つにまで成長。
創業当初はカメラ専門のディスカウント店に過ぎませんでしたが、その後、家電やパソコンなどの販売にも参入、更に2000年代以降は酒類やゴルフクラブ、高級ブランド品など、多彩な品目を取り扱う店舗に変貌を遂げています。
この他にも2014年(平成26年)4月に「ビックカメラ陸上部」、2015年(平成27年)1月には「ビックカメラ女子ソフトボール高崎」を創部するなど、企業スポーツにも熱心に取り組んでおり、とりわけ女子ソフトボールは、2021年(令和3年)に開催された東京オリンピックでの金メダル獲得の際の主要メンバーを構成するなど、強豪チームとして知られています。
ちなみにビックカメラもヨドバシカメラ同様に独特のCMソングがおなじみですが、元歌となっているのは「タバコやの娘」の替え歌である俗謡「たんたんたぬき」で、札幌・池袋・AKIBA・横浜・名古屋・名古屋JRゲートタワー・大阪なんば・福岡天神のバージョンがあり、このうち池袋バージョンの歌詞は創業者の手によるものだといいます。
また社名については「BIG CAMERA」ではなく「BIC CAMERA」が正しい表記ですが、この「ビック(Bic)」は、バリ島のスラングで、語源となっている「Big(大きい)」とは同じ意味ですが、ただ大きいだけでなく「中身を伴った大きさ」という意味があるといい、「限りなく大きく、限りなく重く、限りなく広く、限りなく純粋に。ただの大きな石ではなく、小さくても光輝くダイヤモンドのような企業になりたい」という希望をこめて名付けられたものだといいます。
そして「ビックカメラJR京都駅店」は2007年(平成19年)8月23日、京都市下京区西洞院通塩小路下る東塩小路町に位置し、JR京都駅の西側に大阪・心斎橋の「なんば店」に次ぐ関西地区2店舗目として、1階から7階まで約8,000平方mの売り場面積、品揃えは旗艦店である有楽町店とほぼ同等の70万アイテムを誇り、「都市型×駅前×大型」の代表店舗を目指してオープンされた店舗です。
取扱品目はカメラ・パソコン・AV・家電・電話機・FAX・携帯電話・時計・TVゲーム・DVDソフト・おもちゃ・ゴルフ・テニス・スポーツサイクル・寝具・お酒・メガネなどで、約20年前の商品と現在の商品とで二酸化炭素の排出量を比較する「省エネ家電ブース」や、炊飯やパン焼きを体感できる「キッチン家電実演コーナー」、「シアター体感コーナー」「高級オーディオ試聴コーナー」などのブースが設置され、実際に比較・体感しながら買物できるのが大きな特徴です。
またJR京都駅の30番線ホームに設置される新改札口と2階で直結されていて、同社の店舗としては初めて「駅のホームから直接店舗に入店できる」仕組みが導入されているのも大きな特徴となっています。
その他にも京都店の擬人化キャラクターとして生み出された「京都たん」という可愛らしい女の子のキャラクターが有名で、京都の花であるツバキと目元の紅、神楽鈴を持つ姿が特徴的で、たまに京都弁が出ることがあるという設定で親しまれています。