京都市下京区西中筋通七条上る菱屋町、「堀川七条」の交差点を上った西本願寺前に本社・本店を置く京漬物の製造・販売を行う食品メーカー。
創業百余年の西利商店より、1940年(昭和15年)3月に創業者である平井太朗がのれん分けを受ける形で創業したのがはじまり。
その後1953年(昭和28年)には会社として設立され、1970年(昭和45年)には万国博覧会のオープンに合わせて西本願寺前に本社社屋を竣工、更に1975年(昭和50年)には直営店展開の先駆けとなる祇園店を四条祇園町に出店しています。
そして1976年(昭和51年)には「西利の千枚漬」が内閣総理大臣賞を受賞したほか、1996年(平成8年)には数々の実績と成功の歴史が評価され、食品産業優良企業として最高の栄誉である農林水産大臣賞も受賞。
以後も京都の観光名所や全国の有名百貨店などを中心に店舗を展開していき、京漬物の代名詞として幅広い世代に浸透しており、全国的にも多くのファンを獲得しています。
「旬おいしく、やさしく。」のテーマのもと、安全でおいしい製品づくりを心がけており、看板商品の「西利の千枚漬」は伝統の京野菜「聖護院かぶら」を薄く切り、一枚一枚丁寧に漬け込まれたもので、独特のまろやかで繊細な風味、やさしい口当たりはご飯やお酒、お茶受けにもおすすめです。
またもう一つの主力商品が「京のあっさり漬」で、1960年頃からの減塩運動が全国に波及する中で1984年(昭和59年)より発売が開始され、時代の志向に受け入れられ大好評を博し、京漬物に新しいジャンルを拓くとともに、現代人のライフスタイルにあった漬物としてその後の浅漬ブームの先駆けとなりました。
その他にも乳酸菌で漬けた健康漬物「西利乳酸菌ラブレ」や「西利エコケース」などを開発し、京漬物の新たな可能性に向けて挑戦を続けています。
現在の本社ビルは1990年(平成2年)に若林広幸の設計、大成建設の施工で建てられた地上5階・地下2階建の建物で、1階の販売所では西利の商品を一堂に取り揃えるとともにくつろいだ空間で試食しながらゆっくりと買い物を楽しめるほか、2階では旬の京漬物を立食パーティ形式でワインやほうじ茶とともに楽しむことができる「京つけものパーティ」を無料にて開催するほか、遊んで学べる空間としての「遊学パーク」も併設され、漬物の試食をしながら、京漬物などに関するクイズラリーがの楽しめるほか、千枚漬の製造工程で用いる「鉋台(かんなだい)」が設置され、フォトスポットとなっています。
支店については前述の祇園店のほか、嵐山昇龍苑店、清水店、清水産寧坂店、錦店、京都駅ビル内(亰店、京小町北館店)、ポルタ店、近鉄京都店など多数あり、このうち祇園店と嵐山昇龍苑店には京漬物を使った料理やお茶漬など様々な食べ方を楽しめる「味わい処」が併設されています。