京都市下京区南不動堂町、京都タワーのある京都駅の中央口の目の前を通る塩小路通りを西へ進み、堀川通と交差する手前に位置し、京都駅からすぐの場所にひっそりと鎮座する穴場的スポットです。
平安中期の899年(昌泰2年)、第59代・宇多法皇が晩年過ごしたという東七条御所「亭子院(ていじのいん)」を離宮とした際にその鎮守社として祀られたのがはじまりといわれています。
当時は現在の七条西洞院付近にありましたが、安土桃山時代に豊臣秀吉の都市改造により現在の場所に移されました。
祭神は夫婦神として知られる猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)と天細女命(あめのうずめのみこと)。
天細女命は芸能の神として有名ですが、猿田彦大神は道案内の神様・交通安全・旅人の神として有名。
これは天孫降臨の神話の際に天八衢(あめのやちまた)にて瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の道案内をしたことに由来しています。
「足止め」祈願をすると、家出人の足がすくみ家に帰るという家出の防止のご利益があるほか、夫婦二神が抱き合う神像から縁結びの神様として信仰されることもあります。
ちなみに「道祖神(どうそじん)」とは、街道筋などの交通の要衝や村や集落の境目などに建立し、外部からやってくる悪霊を防ぎ、交通・移動の安全を守るもので、猿田彦神あるいはその妻・天細女命と一対の形で習合する場合もあるといいます。
賽の神=幸の神(さいのかみ)などとも呼ばれることから、これが転訛して幸の神・縁結び・夫婦和合の神にもなったともいわれています。
この他に境内にある末社の書聖天満宮は「洛陽天満宮二十五社」に数えられることもある社です。