「御室八十八ヶ所霊場」とは
「御室八十八ヶ所霊場(おむろはちじゅうはちかしょれいじょう)」とは、仁和寺境内の西側にそびえる標高236mの成就山にに整備された四国八十八ヶ所を模した霊場。
室町時代以降に弘法大師空海ゆかりの八十八ヶ所の霊場を回る四国巡礼が流行した。
しかし庶民が四国まで赴きお遍路を実践するのは容易なことではなく、そのため江戸時代には各地で四国を模した巡礼地のミニチュアコースが盛んに作られるようになった。
(ちなみに本来の四国八十八カ所霊場は、阿波・土佐・伊予・讃岐と四国を巡る全行程300里余り(約1,450km)、徒歩だと50日もかかるコース)
仁和寺のものもその一つで、1827年(文政10年)、時の仁和寺29世門跡・済仁法親王の発案により四国八十八ヶ所霊場の砂を持ち帰り、仁和寺の裏山に埋めてその上にお堂を建て、巡拝路を整備したのが御室八十八ヶ所霊場のはじまり。