京都の名水
京都は「千年の都」とも呼ばれるように古い歴史を持つ街として知られていますが、「名水」の地でもあります。というよりも豊富な水資源があったからこそ千年も続く都として発展してきたと言っても過言ではありません。
京都盆地は三方(西・北・東)を山に囲まれて南に開けていますが、東西の山地とは断層で切られ固い岩盤は中央が落ち込む形で北から南へとなだらかに傾斜しています。そしてその地下には何層にも渡る深い砂れき層があり、この部分に琵琶湖からの地下水や山からの湧水、雪解け水などが流れ込んでくるといわれています。
その形はまるで巨大な水瓶のようで、これが天然の地下ダムの役割を果たして豊富な地下水が蓄えられているというのです。その水量は211億立方メートルで、何と琵琶湖の水量275億立方メートルの80%に相当するのだとか。
そしてこの豊富な地下水は古く平安遷都の頃より利用され、名水と呼ばれる湧水は市内の各所に多数あるほか、上下水道が完備された現代においても7000以上もの井戸があるといわれています。
また京都御所は二条城などの美しい庭園や西陣の三千家を中心とした茶道文化、伏見の酒造りや京野菜や豆腐、湯葉などの和食文化など、京都の伝統文化を支えているのも、実はこれらの名水の数々なのです。