蟹満寺
国宝の巨大な釈迦如来坐像に珍しい蟹供養放生会も開催
真言宗智山派。680年前後の創建で1711年智積院の僧亮範が入寺し再興。 創建当時から不動と判明した高さ約2.4mの巨大な金剛仏は国宝。 今昔物語集の蟹の恩返しの伝承で知られ4/18の蟹供養放生会では全国のカニ料理店や旅館関係者が参列しサワガニを放流。 境内の至る所に蟹モチーフの紋様や蟹グッズも
蟹満寺とは?(基本データ)
- 名前
- 蟹満寺(かにまんじ)
- エリア
- 木津川
- ジャンル
- 建立・設立
- 創建年不詳、周辺の発掘調査から飛鳥時代後期(7世紀末、680年前後)、秦氏の一族により創建と推定
1711年(正徳元年)、智積院の僧・亮範が入寺し再興
1990年(平成2年)の発掘調査で7世紀末の大規模な寺院建築の遺構が発見され、創建当時の本堂が現在の奈良・薬師寺の金堂に匹敵するほどの規模だったことが判明 - 創始者
- [開基] 伝・秦和賀(はたわか)
[再興] 亮範 - 宗派
- 真言宗智山派
- 山号
- 普門山(ふもんざん)
- 本尊
- 釈迦如来
- 寺紋
- 蟹牡丹
- 札所等
- 京都南山城古寺の会 第4番
南山城三十三所観音霊場 第29番札所 - アクセス
- 駐車場
- 普通車4台 無料
※大型バスは国道24号線脇の専用駐車場の使用を電話にて問い合わせ - 拝観料
- 境内自由
■仏像拝観
├一般 500円(団体450円)
├高校生 450円
└小中学生 200円
※団体割引は30名以上 - お休み
- 4/18、不定休
- 拝観時間
- 8:00~16:00
- 住所
- 〒619-0201
京都府木津川市山城町綺田浜36 - 電話
- 0774-86-2577
- FAX
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- 公式サイト
- 蟹満寺 Facebook
蟹満寺 Instagram
蟹供養放生会 木津川市観光サイト
蟹満寺 南山城の古寺巡礼 京都南山城古寺の会
蟹満寺の地図
蟹満寺のみどころ (Point in Check)
京都府木津川市山城町綺田(かばた)、京都府南端の木津川市にあるJR棚倉駅より北へ徒歩約20分の所にある真言宗智山派の寺院。
寺院のある「綺田(かばた)」の地は古くは美称である「神(かむ)」と織物を意味する「幡(はた)」からなる「蟹幡(かむはた)郷」という名前で呼ばれ、その名の通り織物に携わる渡来系民族が多く住んでいた地で、寺は飛鳥時代後期(白鳳時代末期)の680年前後に渡来人・秦氏の一族である秦和賀(はたわか)が創建したと伝わり、「紙幡寺(かむはたじ)」「加波多寺」などといわれていたといいます。
後に奈良時代を代表する僧の一人である行基(ぎょうき 668-749)により民衆の厚い信仰を集めるようになり、方二町の境内地を有する大寺院であったといい、その後平安末期の説話集「今昔物語集」の巻16第16話や鎌倉時代に編纂された説話集「古今著聞集」に「蟹の恩返し」の伝承が収録されているおとから、遅くとも平安後期には「蟹満寺」と表記されるようになり、蟹の恩返しの伝説と結びつくようになったものと考えられています。
「今昔物語集」に収録されている「蟹の恩返し」とは、観音様を厚く信仰していたある一人の娘が村の子どもたちに食料として捕えられていた蟹を哀れに思い、もらいうけて川に放し助けてあげました。
その後その娘が大蛇に求婚されるという危難に遭い困っていたところ、蟹が一族を率いて大蛇を倒し恩返しをしたという筋書きで、その時に身代りになって死んだ多くの蟹と退治された蛇を葬り、その上に堂を建立して観音像を祀ったのが蟹満寺のはじまりだといいます。
寺は江戸中期の1711年(正徳元年)に智積院の僧・亮範によって中興、本堂は1759年(宝暦9年)に建て替えられた後、近年になって老朽化のため250年ぶりに建て替えられることとなり、2010年(平成22年)4月に落慶法要が執り行われ現在に至っています。
境内には「蟹の恩返し」の縁起にちなみ、香炉や浄財箱、本堂扁額、蟇股、屋根瓦、灯籠など、至る所に蟹モチーフの紋様が施され、蟹にちなんだ授与品も多く取り扱っているといいます。
そして境内の一番の見どころが本堂に安置されている国宝の本尊・釈迦如来坐像で、白鳳時代に造られ高さ約2.4m、重さ2.2tの巨大な金銅仏で、仏像によく見られる丸まった髪の毛の「螺髪(らほつ)」や眉間の中央にあって光を放つ「白毫(びゃくごう)」をつけず、ふっくらとした人間味を帯びた相好で、手の指の間には生きとし生けるものをすべて悟りの世界へ救い上げることができるよう水かきのような「曼網相」を具えている姿が特徴的。
同様の時期に造られた初期の丈六金銅仏は飛鳥大仏、現興福寺仏頭、薬師如来坐像のみという、大変貴重な仏像の一つで、1953年(昭和28年)11月14日に国宝に指定されています。
その由緒や伝来がはっきりせず、制作年代やなぜこの地にこのような巨大な仏像が建てられたかなどについては謎に包まれている部分も多く、現在も科学的な調査が進められています。
その他にも行事として毎年4月18日に行われる「蟹供養放生会」が有名。
前述の「蟹の恩返し」の縁起にちなんで全国のカニ料理店や旅館関係者など200名が参列し、読経の後、命の尊さに感謝しながら沢蟹を放流するほか、当日は国宝・釈迦如来坐像が御開帳されます。
蟹満寺の施設案内
境内
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山門
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寺号標
山門手前右
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参道
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蟹供養塔
山門くぐってすぐ右
観音像と手前に手水鉢
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七重石塔
蟹供養塔の左隣
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十重石塔
山門くぐって左
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本堂
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扁額
本堂側面に掛かる
蟹が蛇と戦っている構図になっている
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常香炉
蟹の寺紋
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駒札
本堂前右
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庫裏
本堂左側
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手洗所
本堂手前右
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地蔵菩薩
本堂の右奥へ進んだ先
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門
普門庵へ通じている
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普門庵
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弘法大師像
本堂裏右奥
南無大師遍照金剛と表示
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水子供養塔
本堂裏の大師堂の左隣
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納骨塔
水子供養塔の左隣
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納骨堂
本堂の裏、納骨塔の前
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駐車場
境内の東、綺原神社のそば
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周辺
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綺原神社(かんばらじんじゃ)
式内社
境内の北東
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蟹印
境内の南にある古民家カフェ
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JR棚倉駅
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蟹満寺の石碑
駅前の木津川市観光MAPの横にあり蟹が彫られている
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蟹満寺の主な年間行事・カレンダー
年中行事
- 2/3
節分星祭
- 3/15
釈迦如来涅槃会
涅槃図の公開
- 3月彼岸の日
春彼岸会
- 4/18
蟹供養放生会
娘が助けた蟹が、後に蛇との婚姻を迫られた娘の危機を救ったという「蟹の恩返し」の縁起にちなんで法要が行われ、全国からカニ業者など約200人が参列
読経の後、縁起にちなんで命の尊さに感謝しながら沢蟹を手水鉢に放つほか、当日は国宝の釈迦如来坐像がご開帳される
11:30 観音大護摩供修行(祈願者のみ)
12:30 琴・尺八の演奏、抹茶接待
13:30 蟹供養放生会(沢蟹の放生)- 4月下~5月上
春の特別拝観
十二天屏風を公開
- 5/8
釈尊降誕会 お花まつり・足腰痛み封じ祈祷大祭
国宝の本尊・釈迦如来は脚気、神経痛、足腰の病など体に潜む諸病を封じる力を有するといわれ、7日間もの間諸病をわらじに封じる祈念をした後、そのわらじを痛みや病とともに焚き上げる
8:00~16:00- 8/24
地蔵盆会
- 9月彼岸の日
秋彼岸会
- 12/31
修正会~万燈供養~
月並行事
- 毎月24日
地蔵縁日