鞍馬寺
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源義経が10年修行、鞍馬天狗伝説でも有名な山岳寺院
770年鑑真の高弟鑑禎が毘沙門天を本尊に創建。平安遷都後に北方鎮護の道場となり戦後は鞍馬弘教総本山。 山伏による山岳信仰や鞍馬天狗で有名なほか牛若丸が7歳から修行し義経伝説の遺構も多数。パワースポットとして人気の本殿金堂前の金剛床や多宝塔、霊宝殿、奥の魔王院、木の根道など見所も多い
鞍馬寺とは?(基本データ)
- 名前
- 鞍馬寺(くらまでら)
- エリア
- 鞍馬・貴船・花背
- ジャンル
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寺社 国宝彫刻 桜 紅葉 新緑 名水 厄除け 商売繁盛 新西国三十三 神仏霊場会 珍しい狛犬 写経体験 門前名物 三大火祭 三大奇祭 除夜の鐘 節分祭
- 建立・設立
- 伝・770年(宝亀元年)、鑑真和上の高弟・鑑禎上人が毘沙門天像を祀り創建
796年(延暦15年)、東寺の建設を指揮した藤原伊勢人が堂塔・伽藍を整え中興、千手観世音菩薩を合祀し平安京の北方鎮護の道場とする
1947年(昭和22年)、鞍馬弘教を開祖し1949年総本山に、本尊は毘沙門天王、千手観世音菩薩、護法摩王尊の三尊(合わせて「尊天」と呼ぶ) - 創始者
- [開基] 伝・鑑禎(がんてい)
[中興] 藤原伊勢人(ふじわらのいせんど) - 宗派
- 鞍馬弘教総本山
- 山号
- 鞍馬山(くらまさん))
- 本尊
- 尊天(そんてん)(三身一体の本尊)
├毘沙門天王(びしゃもんてんのう)
├千手観世音菩薩(せんじゅかんぜおんぼさつ)
└護法魔王尊(ごほうまおうそん) - 寺紋
- 菊花紋
(花を側面から見た意匠だが、天狗の団扇を象った羽団扇紋にも見える) - 札所等
- 新西国三十三箇所 第19番
神仏霊場巡拝の道 第103番 - アクセス
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■仁王門側
- 叡山電鉄鞍馬線「鞍馬」駅下車 仁王門まで徒歩約3分、山頂の本殿まで更に徒歩約30分、鞍馬山ケーブルカーで約2分
- 京都バス「鞍馬」(32・52系統)下車 仁王門まですぐ
- 名神高速道路「京都南IC」より約50分
- 名神高速道路「京都東IC」より約50分
■西門側
- 駐車場
- 鞍馬駅前、仁王門付近等に民営の駐車場あり
- 拝観料
- ■愛山費
├高校生以上 200円
└中学生以下 無料
※団体割引(20名以上160円、50名120円、100人以上100円)
※障害者本人無料
■霊宝殿
├高校生以上 200円
└小中学生 100円
※団体割引
├高校生以上 25名以上160円、100名以上120円
└小中学生25名以上60円、100名以上40円
■鞍馬山ケーブル(山門~多宝塔)
└片道100円 - お休み
- 無休
■霊宝殿
├月曜日
└12/12~2月末 - 拝観時間
- 9:00~16:30
■霊宝殿
└9:00~16:00 - 住所
- 〒601-1111
京都府京都市左京区鞍馬本町1074 - 電話
- 075-741-2003
- FAX
- -
- 公式サイト
- 総本山 鞍馬寺
第十九番札所 鞍馬山 鞍馬寺 新西国霊場-新しい巡礼の旅
鞍馬寺の地図
鞍馬寺のみどころ (Point in Check)
京都市左京区鞍馬本町にある寺院で、京都盆地の北側、豊かな自然環境を残す鞍馬山の中腹(南斜面)に位置しています。
770年(宝亀元年)、鑑真和上の高弟・鑑禎(がんてい)が毘沙門天を本尊として奉安したのが寺のはじまり。
その後平安遷都より2年経った796年(延暦15年)に造東寺長官・藤原伊勢人が王城鎮護の道場として伽藍を造営。
千手観世音を祀って毘沙門天とともに安置し、以降は平安京の北方守護の寺として信仰を集め栄えました。
1949年まで天台宗に属していましたが、以降独立し現在は鞍馬弘教(くらまこうきょう)総本山となっています。
本尊は「尊天」と称され、毘沙門天王・千手観世音菩薩・護法魔王尊の三身で一体をなしています。
そしてこのうち元々護法魔王尊であったと思われているのがあの有名な「鞍馬天狗」で、能の「鞍馬天狗」でも有名なほか、多くの天狗伝説が伝わっています。
また最寄駅の叡山電鉄の鞍馬駅では、長い鼻に赤ら顔が印象的な大天狗の巨大なオブジェが参拝者を出迎えてくれます。
しかし何といっても鞍馬山といえば、あの源義経が幼少の牛若丸の頃に修行をした地としてよく知られていて、本殿裏から奥の院への山道にかけては牛若丸に関する遺跡が多数残されています。
何度も火災に遭っており、本殿金堂や多宝塔など堂宇は新しいものの、寺宝については国宝に指定されている「毘沙門天三尊像」「木造毘沙門天立像」など歴史的にも価値の高い貴重な文化財が多く残されています。
また与謝野晶子ゆかりの寺としても有名なほか、鞍馬山は豊かな動植物や鉱物に恵まれている地としても知られており、貴重な寺宝や与謝野晶子に関する資料などは「霊宝殿」で見ることができます。
(1階は、山内の動植物、鉱物などを展示する自然科学博物苑展示室、2階は寺宝展観室と与謝野晶子の遺品を展示する与謝野記念室、3階は国宝の毘沙門天像などの仏像奉安室、宝物収蔵庫)
自然豊かな鞍馬山では四季折々に移り変わる景色が楽しめ、春は桜、秋は紅葉の名所としても知られているほか、貴船神社までの参道はハイキングコースとしても人気を集めています。
静寂と霊気に包まれた鞍馬寺は気が集まる場所として訪れる方も多く、近年はパワースポットとしても人気。
中でも本殿金堂前の六芒星は最もパワーが集まる場所といわれていて、650万年前に金星から神が降り立ったとの伝説もあるといいます。
また参拝手段としてケーブルカー(鞍馬山鋼索鉄道)を運営し、宗教法人としては唯一の鉄道事業者。
日本一短いケーブルカーとしても知られていますが、このケーブルカーのおかげで参拝者は九十九折り参道を登り降りすることなく山上へと移動することができるようになっています。
北方を守護する寺院として発展し義経と鞍馬天狗の伝説で有名に
鑑真の高弟・鑑禎が鞍馬山に毘沙門天を祀ったのがはじまり
寺に伝わる「鞍馬蓋寺縁起(あんばがいじえんぎ)」によると、奈良後期の宝亀元年(770年)1月4日、唐から仏教を広めるために渡来し奈良・唐招提寺を開いた鑑真(がんじん)和上(688-763)の高弟・鑑禎(がんてい)がにこの地に草庵を結び、毘沙門天を安置したのがはじまりと伝わっています。
鑑禎は鑑真が唐から伴ってきた高弟8名のうちの最年少で、正月4日寅の夜の夢告と白馬の導きで鞍馬山に登山した際、鬼女に襲われたところを毘沙門天に助けられ、災いを免れたといわれています。
造東寺長官・藤原伊勢人が伽藍を造営し千手観世音を合祀
その後平安遷都より2年経った796年(延暦15年)、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)を信仰する造東寺(ぞうとうじ)長官・藤原伊勢人(ふじわらのいせんど)が貴布禰明神(きぶねみょうじん)のお告げにより、王城鎮護の道場として伽藍を造営。
千手観世音を祀って毘沙門天とともに安置したといわれており、これをもって鞍馬寺のはじまりとする説もあります。
寛平年間(889-98年)に東寺の僧・峯延(ぶえん)が入寺し一時期真言宗の寺となりましたが、天永年間(1110-13年)に第46代天台座主・忠尋(ちゅうじん)が入寺し、天台宗に復して青蓮院の支配下に置かれました。
都の北方を守護する寺として朝廷より信仰を集める
北方守護の毘沙門天を祀ったことから、平安時代には京都の北方守護の寺として天皇家や藤原家から信仰を集めて繁栄。
1091年(寛治5年)には白河上皇、その他に紫式部が仕えた藤原道長・頼通、藤原師通なども参詣しています。
また清少納言も「枕草子(まくらのそうし)」の中で「近うて遠きもの」として「くらまの九十九(つづら)折りといふ道」を挙げています。
数多くの伝説が残る牛若丸(源義経)兵法修行の地
更に平安後期に幼少の牛若丸(源義経)がここで兵法修行したとことでも著名であり、本殿裏から奥の院へと続く山道を中心に「息次ぎの水」など数多くの義経伝説や牛若丸ゆかりの遺跡が残されています。
義経は7歳頃に鞍馬寺に入山し、16歳の頃に鞍馬寺を出て奥州平泉に下ったといわれていて、昼は由岐神社の上手にあった東光坊で仏道修行し、夜は僧正ガ谷で天狗に兵法を授けられたといわれています。
僧兵の台頭と武士による信仰
平安末期、鞍馬寺の僧兵は比叡山の僧兵に数は劣るものの、より勇猛だと讃えられていたといい、南北内乱期には僧兵の出兵を促す文書や後醍醐天皇の綸旨などが多数残されているといいます。
戦国時代には武田信玄、豊臣秀吉、徳川家康などの名だたる戦国武将たちがしきりに戦勝祈願を行っているほか、秀吉の子・豊臣秀頼は由岐神社の拝殿を再建しました。
戦後天台宗から独立し鞍馬弘教総本山に
戦後の1947年(昭和22年)には住職・信楽香雲(しがらきこううん)により鞍馬弘教が立教され、1949年(昭和24年)には天台宗から独立。鞍馬弘教総本山となり現在に至っています。
鞍馬寺の施設案内
鞍馬山の南中腹に境内を有し、鬱蒼とした森の中に本殿金堂や奥の院 魔王殿・不動堂などの堂宇が点在しています。
境内の南側の門前を鞍馬街道が通り、最寄り駅である叡山・鞍馬駅も隣接。
駅前には長い鼻をした赤ら顔の鞍馬天狗の大きなお面のオブジェが参拝者を出迎えてくれます。
仁王門(山門)から本殿に至るまで、清少納言が枕草子で「近くて遠きもの」と記した九十九(つづら)折りの険しい坂道が約1km続いていますが、門をくぐってすぐの所から山上の多宝塔前まではケーブルカーが整備されているため、ケーブルを使えば数分で山上へと到着することができるようになっています。
本堂の正面向かって左奥に寺宝などを展示する霊宝殿と奥の院参道が続いており、息つぎの水や背比べ石などの牛若丸(源義経)ゆかりの史跡や魔王殿などを経て、貴船川沿いの西門へと到達することができます。
奥の院参道から西門までの道のりは牛若丸が修行したといわれているだけのことはあり、鬱蒼とした杉林に包まれた薄暗い山道が続いていきます。
中でも不動堂付近の参道は「木の根道」と呼ばれるように固い岩盤のため木の根が地表にむき出しになっており、その道のりの険しさを物語っています。
西門を出て貴船川に架かる奥ノ院橋を渡るとそこはもう貴船神社の門前のため、鞍馬寺と合わせて参拝する人も多く見られます。
鞍馬寺の門前の鞍馬街道沿いにはお土産物屋も多数あり、特に山椒の香りが食欲をそそる昆布の佃煮の「木の芽煮」を販売する店は門前に5軒並んでいて、門前名物として知られています。
また門前の鞍馬街道を西に下っていくと貴船口や二ノ瀬、市原、二軒茶屋、京都精華大前駅などの叡山電鉄の各駅を経て、深泥池、そして北山へ、反対に東に上がっていくとくらま温泉を経て京都市最奥の地・花背へと向かうことができます。
山門(仁王門)周辺
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石標
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下鴨警察署鞍馬駐在所
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参道
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修養道場歓喜院
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雍州路一樂
総本山鞍馬寺御用達
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仁王門(山門)
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阿吽の虎
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説明板
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観音泉揚水舎
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一心講
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忠魂碑
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境内図
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受付
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観音・還浄水
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町石(八町)
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石段
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童形六体地蔵尊
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鞍馬山保育園(正香苑)
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普明殿
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乗車口
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精進橋
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鳥樞沙摩明王殿(WC)
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九十九折参道
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坂道
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分岐
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観光客緊急避難広場
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放生池
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石段
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吉鞍稲荷社
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吉鞍叱枳尼天
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石段
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鳥居
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石碑
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鬼一法眼社
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魔王の滝
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魔王之碑
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橋
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社標
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駒札・由緒
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手水舎
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鳥居
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割拝殿
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石段
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冠者社
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岩上社
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大杉社
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大杉
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白長弁財天社
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社務所
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狛犬
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天狗みくじ
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絵馬掛
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手水鉢
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三宝荒神社
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塔
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鹿子木
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北口
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町石(六町)
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石碑
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説明板
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橋
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涙の滝
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山本青瓢句碑
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義経公供養塔
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川上地蔵堂
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箏曲稚児桜之碑
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いのちの像
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掲示板
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楓の古木
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九十九折参道
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双福苑
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玉杉恵比寿尊
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橋
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玉杉大黒天
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玉杉
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町石(五町)
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ベンチ
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町石(四町)
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句碑
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信樂香雲歌碑
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御手洗
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町石(三町)
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行止り
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中門(勅使門)
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石段
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石段
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貞明皇后行啓御休息跡
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石段
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福寿星神
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石段
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分岐
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新参道
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多宝塔礼堂
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開運毘沙門天
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多宝塔
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石碑
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新参道
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緑色岩
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弥勒堂
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閃緑岩と石英閃緑岩
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本殿金堂
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石段
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広場(分岐点)
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御手洗
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鞍馬石
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石段
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巽の弁財天社
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石段
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洗心亭
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手水舎
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転法輪堂
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門
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寝殿
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四明閣
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石段
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石段
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石段
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通路
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御手洗
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石段
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参道
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参拝者休憩所
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棚
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納札所
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閼伽井護法善神社
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入口
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本殿金堂
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香炉
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阿吽の虎
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標高
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金剛床
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翔雲台
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雲珠桜?
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入口
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光明心殿
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別棟
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参道
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金剛寿命院(本坊)
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瑞風庭
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宝殊林
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分岐
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天車
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灯籠
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奥の院参道
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奥の院入口
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奥の院遥拝所
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入山参拝者心得
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石段
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分岐
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参道
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蔵
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如法経の石塔
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鐘楼
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八所明神
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奥の院参道
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分岐
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石英閃緑岩
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与謝野晶子・鉄幹歌碑
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霊宝殿(鞍馬山博物館)
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休憩所
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冬柏亭
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山門
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義経公息次ぎの水
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黄泥泥岩と砂岩
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屏風坂地蔵堂
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参道
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赤鳴 珪質頁岩
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分岐
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龍神池
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東口
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遮那王堂
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背比べ石
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南口
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閃緑岩
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熱に灼かれた砂岩
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石塔
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道標
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大杉権現社
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休憩所
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参道
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南口
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僧正ガ谷不動堂
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眷属社
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池
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手水
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義経堂
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駒札
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北口
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山道
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極相林
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山道
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東口
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魔王殿
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手水
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御手洗
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石灰岩2
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石灰岩3
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西口
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道標
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山道
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チャート
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山道
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石灰岩4
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山道
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尊天
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山道
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石仏
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山道
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入山心得
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西門
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祠
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奥ノ院橋
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関連
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鞍馬山
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由岐神社御旅所
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石寄大明神
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鬼一法眼古跡
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椋の木
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周辺
鞍馬寺の主な年間行事・カレンダー
年中行事
- 正月元旦~15日
しめのうち詣で
「しめのうち(標の内)」とは、正月の門松や注連縄(しめなわ)を付けておく期間(1/1~1/15)のことで、鞍馬寺で元旦から1/15までの参拝をこう呼んでいる
- 1月(新年)最初の寅の日
初寅大祭(はつとらたいさい)
鞍馬山に本尊の一尊・毘沙門天が出現したのが寅の月(正月)、寅の日、寅の刻であったことにちなむ
古くより初寅の日に毘沙門天に参拝すると無量の大福を授かるといわれていたという
前日21:00より「前夜祭」、当日の3:00より「初寅大護摩供」を奉修、翌日には「後日祭」が行われる
魔除け「あうんの虎」や「お宝札」などの授与も行われ、お札を授かろうとする参拝者で賑わう- 2月節分の日
節分追儺式(せつぶんついなしき)
古来より宮中で大晦日に行われていた「追儺」を再現した儀式で、京の豆まきの由来と伝承されている
古式ゆかしい平安装束をまとった上郷や殿上人などが、悪鬼を追い払う呪力を持つという桃の弓に芦の矢をつがえて放ち、悪霊や邪気を追い払い退散させる
「福は内、鬼は外」と眼に見えぬ無形の鬼を追って豆を撒く
- 3月春の彼岸入りの日
春の酬徳会
念仏行者・重怡(じゅうい)上人ゆかりの転法輪堂・阿弥陀仏の宝前にて信徒が灯明を献じ、先祖の恩徳に感謝する彼岸の法要
- 4月中旬の15日間
花供養(はなくよう)
本尊である尊天に感謝し、花を献じ茶や舞楽を奉納する行事で、自然に感謝し、自然を大切にすることを誓い、自然の奥の尊天の働きを思い、感謝を捧げる
本殿金堂横の舞台にて琴の演奏や狂言の奉納
山門下の修養道場では華展・書道展・水墨画展・写真展・茶席も開催
最終日に結願法要- 花供養の中日
花会式(はなえしき)
花供養の中日法要で、牛若丸を語った謡曲「鞍馬天狗」でも有名な鞍馬山の春を彩る「雲珠桜(うすざくら)」の下を行列して本殿金堂まで向かい、御本尊に献華・献茶する
- 5月の満月の夜
五月満月祭(うえさくさい)
満月に清水を捧げ、「心のともし灯」と呼ばれる蓮の花を模した赤い蝋燭に火を灯し、満月の力を頂いて自分と全ての人々の目覚めと平安を祈る行事
新緑の五月の満月の夜は、山川草木ありとあらゆるものの目覚めのために天界から強いエネルギーが降り注ぐと言われており、かつて鞍馬山では満月に清水を供える五月満月の秘儀が執り行わていた
(この祭儀に使われる青銅の器に「宝徳2年」と銘があるので1450年にはすでに行われていたと考えられる)
この秘儀と同日の夜に遥かヒマラヤ山中や東南アジアの地においても釈尊の徳を讃えてウエサクの祭りが敬虔に行われている事が判明し、戦後の1947年(昭和22年)に五月満月の秘儀を「ウエサクさい」とルビをつけて呼び広く公開するようになったという
儀式は19:00より地鏡浄業(きよめ)、月華精進(はげみ)、暁天明覚(めざめ)と3部に分かれて行われ、赤い蓮花の蝋燭を一斉に捧げる光景は幻想的
護法魔王尊の「お力の宝棒」護符の特別授与も行われる- 5月中
経塚巡り
鞍馬山と四周の山々に点在する平安以来の写経が埋められた経塚を巡拝する如法写経会の前行
- 6/20
竹伐り会式(たけきりえしき)
水に感謝し五穀豊穣を祈願した後、僧兵姿の鞍馬法師が近江・丹波の両座に分かれ、雄の大蛇に見立てた長さ約4m、太さ10cmほどの青竹を山刀で切る速さを競い、豊凶を占う
速く切り落とし先に本坊へ駈け込んだ方の土地が豊作になると伝わる
平安初期の寛平年間(889-898)に峯延(ぶえん)上人が修行中に襲ってきた雄の大蛇を法力で退治し、朝廷から使わされた人夫が龍ヶ獄に捨てたという故事に因んでいるという
その際雌の大蛇も現れたが、鞍馬山の御香水を絶やすことなく護ることを誓ったため上人より許され、本殿横の閼伽井護法善神として祀られており、この行事でも雌蛇に見立てたれた青竹は伐られることなく山内に植される
14:00より「竹ならし」の後、舞楽の奉納、そして「勝負伐り(しょうぶきり)」の儀式と続いていき、終了後は無病息災のお守りとなる青竹の切れ端を求めて子供たちが舞台に一斉に駆け上がる- 8/1~8/3
如法写経会(にょほうしゃきょうえ)
蝉時雨と声明の響きが唱和する中、厳かに古式そのままに如法写経会が執り行われる
江戸期の法具に囲まれ、3日間法華経七万字を随喜者が手分けしてひたすら写経する参籠- 9/15
義経祭(よしつねさい)
遮那王尊となった源義経を偲び、その御魂を鎮め業績を後世に伝える行事
源義経(牛若丸)は幼少期に鞍馬寺で遮那王と名乗り修行を積み、元服した後は源平の戦いでは活躍したものの、兄・源頼朝に攻められて最後は奥州平泉にて非業の死を遂げた
義経の御魂は幼少年期の日々を過ごした懐かしい鞍馬山に還って穏やかに安らいでいると伝えられており、現在も護法魔王尊の脇侍・遮那王尊(しゃなおうそん)として奥の院の義経堂に静かに祀られている
11:00より法要の後、本殿金堂前にて護法魔王尊の働きを具現した義経への祭儀らしく合気道の演武や天狗舞鼓などの歌舞の奉納と続く
昭和初期には往古さながらの鎌倉時代の武家元服式も挙行されていたという- 9月秋の彼岸入りの日
秋の酬徳会
転法輪堂の阿弥陀仏に信徒が灯明を献じ、先祖の恩徳に感謝の祈りを捧げる
- 10/14
秋の大祭
1947年(昭和22年)に鞍馬弘教が提唱されたことを記念する祭
- 10/22
鞍馬の火祭(くらまのひまつり)
山内の仁王門近くにある由岐神社の例祭で鞍馬寺主催ではないが、「京都三大奇祭」の一つにも数えられ有名
940年(天慶3年)に平安京の内裏に祀られていた由岐大明神は、朱雀天皇の発案により北方の守護として鞍馬へと遷されることとなる
遷宮の行列はかがり火を道々に点灯し1kmにも及んだといい、その様子に感動した鞍馬の人々が、遷宮の儀式の様子と由岐大明神の霊験を後世に残すためにはじめられたのが起源
18:00頃より「神事にまいらっしゃれ」の合図に合わせて祭がはじまり、各戸にかがり火が焚かれ、トックリ松明を手にした幼児、次いで小松明・中松明を担ぐ小中学生、最後に大松明を担いだ大人たちが姿を現し、鞍馬太鼓が打ち鳴らされ、「サイレヤ、サイリョウ」という勇壮なかけ声とともに鞍馬街道を練り歩き、御旅所へ向かう
20:00頃より大松明は鞍馬寺の山門前に集合し、石段下に集められ大きな炎となり、やがて合図とともに石段奥の注連縄が切られると、八所大明神、由岐大明神の順番で神輿渡御へと進んでいく
神輿は集落内を練り歩いた後、御旅所に安置され、神楽の奉納の後に神楽松明が境内を回ると神幸祭が終了
その後翌2:00頃に2基の神輿が御旅所から神社へ戻る還幸祭が行われる- 11/23
平和の祈り
参列者が輪になり全ての命の平安を祈願
- 12月最後の寅の日
おさめの寅
納められた古札をお火にあげて守護に感謝する
今年一年に受けたお札守を納め、一年間の守護に感謝し光明心殿庭上にて火にあげる- 12/31
除夜の鐘
毎日・月並行事
- 毎月1・7・14日・寅の日
毎月の御縁日
花ごよみ
- 4月上~4月中
桜(サクラ)
洛北の鞍馬山の中麓に位置するため京都市街より5日から1週間ほど遅く見頃を迎える
「雲珠桜(うずざくら)」が境内を彩ることで有名
雲珠桜とは、特定の品種のことではなく鞍馬山に咲く桜の総称
境内に咲くさまざまな桜が松・桧・杉などの常緑樹に混じって点々と咲いている様子を表しているという
名前の由来は平安時代の馬の鞍飾りの「雲珠(うず)」の模様に似ていることから
平安中期の歌人・藤原定頼(ふじわらのさだより)の和歌「これやこの 音にききつる 雲珠桜 鞍馬の山に 咲けるなるべし」にも詠まれている
とりわけ仁王門前の参道やケーブルを上がった先の多宝塔の両側に紅枝垂桜、朱塗りの柱が印象的な本殿金堂前の広場などが見どころ
その他に「鬱金桜(ウコンサクラ)」という品種も必見
里桜の一種だが、数百にも及ぶ桜の品種の中でも唯一、ウコンの色に似た淡い黄色い花を咲かせる桜として知られている
開花時期はソメイヨシノが4月上、ウコンサクラはやや遅めの4月中- 11月中~11月下
紅葉(こうよう)
洛北の鞍馬山の中麓に位置するため京都市内よりやや早めに見頃を迎える
境内のあちらこちらで紅葉を楽しむことができ、常緑樹の緑とのコントラストも見事
中でも見どころは仁王門前、普明殿前の石段、本殿金堂へと続く石段の両脇(転法輪堂前など)、本殿金堂および本殿金堂前から麓を見下ろす紅葉も美しい
その他に門前の叡山鞍馬駅の天狗面の付近では天狗のオブジェと紅葉とのコラボレーションが楽しめる
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