芍薬とは?
牡丹(ボタン)に良く似た花を咲かせる別名「花の宰相」
DATA
学名は「Paeonia Lactiflora」、英名は牡丹(ボタン)と同じで「Peony」または「Chinese Peony」。和名に「顔佳草(かおよぐさ)」「夷草(えびすぐさ)」の別名あり。
ボタン科ボタン属の多年草植物。
初夏の5月上~下旬頃、茎の頂上に牡丹(ボタン)に似た径10cmほどの大型の花を1つ咲かせる、色は赤・ピンク、白、黄色など。
アジア大陸北東部(中国東北部~シベリア)の原産、日本には平安時代に薬用として渡来。
高さ約60~120cm。
名前の由来
「シャクヤク」は漢名の「芍薬」を音読みしたもので「芍」は味が良いという意味。
「Paeonia」はギリシャ神話の医の神「Paeon」の名に由来。
歴史
平安時代に薬用として渡来。室町時代頃より鑑賞用として栽培されるようになり、江戸時代には園芸品種として改良が進み多くの品種が生み出されている(和シャクヤク)。
18世紀前半にはヨーロッパ、さらにアメリカに渡り品種改良が盛んに行われた(洋シャクヤク)。
小野小町と深草少将の百夜通い伝説(百夜続けて自分の元に通い芍薬を100本植えたら会う約束だった)や、「立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」という美女の形容することわざでも知られる。
利用・用途
観賞用
日本では江戸時代を中心に、また欧米でも品種改良が行われて数多くの園芸品種がある。
薬用
乾燥させた根は漢方薬として用いられ、鎮痛・鎮静作用や痙攣止めなどの効果が期待できる。
よく似た植物
「牡丹」との違い
「牡丹(ボタン)」とは同じボタン科ボタン属で見た目もそっくりだが、分類上は牡丹は樹木で、芍薬は草。牡丹が先に花が咲き、咲き終わる頃に芍薬が咲き始める。牡丹が「花王」と呼ばれるのに対し、芍薬は花の宰相「花相」と呼ばれている。
「和シャクヤク」と「洋シャクヤク」
また「和シャクヤク」がシンプルですっきりした花形が多いのに対し、「洋シャクヤク」は弁数が多く香りの強いものが多い。