牡丹とは?
見事な大輪の花を咲かせ、花言葉は「王者の風格」
DATA
学名は「Paeonia Suffruticosa」、英名は「Peony(ピオニー)」。
ボタン科ボタン属の落葉小低木。
4月下~5月上旬にかけ枝先に直径10~20cmにもなる見事な大輪の花を咲かせる、花の色は紅、白、黄、ピンク、赤、紫など様々(開花期は品種により異なり冬に咲く品種もある)、花の命は短く1週間ほど。
中国北西部の原産、日本には奈良時代に遣唐使によってもたらされたと伝わるが、平安時代に弘法大師空海が持ち帰ったとの説も。
高さは1~2m、古いものだと3mになるものもある。
名前の由来
中国名の「牡丹(モウタン)」を音読みしたもの。
「Paeonia」はギリシャ神話の医の神「Paeon」の名に由来。
「名取草」「二十日草」「深見草」「富貴草」「百花の王」など様々な別名を持ち、品種も野菜のものは5種ほどだが園芸品種は数えきれないほど存在する。
歴史
元々薬草として栽培された長い歴史を持ち、その後中国の随の時代に園芸栽培されるようになり、唐の時代には「花の王」として流行し観賞用の品種が次々生み出されたという。
日本には奈良時代に薬草として渡来、観賞用に園芸栽培が一般化したのは江戸時代のことで、多くの品種改良が行われたり牡丹専門書が書かれるようになった。
利用・用途
観賞用
観賞用として庭植えや鉢植え、生け花などにも用いられている。
島根県の県花で県内の八束町(大根島)が日本一の生産地。
薬用
根の樹皮部分は「牡丹皮」として漢方薬の原料として用いられる。
消炎・止血・鎮痛などの作用があり、婦人病薬として知られる。
文化
中国でも日本でも古くから愛されてきたことから多くの詩や歌で詠まれ、また絵画や着物や器などの文様、家紋などにも描かれている。
よく似た植物
芍薬(シャクヤク)は牡丹(ボタン)とともにボタン属に分類され、英語ではどちらも「Peony」と呼ばれ区別されない。
両者の違いとしてはボタンは木で、シャクヤクは草。そのためボタンは枝分かれして横に広がるが、シャクヤクは枝分かれせず茎がまっすくに伸びる特徴がある。
この違いは美人の形容で使われる「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」ということわざにも表れている。